いわゆるローカル歌手、それこそ、星の数ほど存在するようです。

すでに作詞・作曲がされ、出来上がっていて、唄う人を探しているという話をよく聞きます。

また、カラオケ発表会によく出ている人に声をかけて、

「あなたの歌を作って歌いなさいよ、カラオケにも配信しますよ」

こういう商売を生業にしている人もいるようです。

 

脈があると思うと、とにかく執拗に営業、説得、ものにするそうです。

ターゲットは、お金に余裕のある高齢者です。

費用は、CDを1000~2000枚プレス、作詞・作曲、カラオケ配信を含め

200万円程度からだそうです。

もちろん、作詞家、作曲家の先生が

有名な方になると、費用はどんどん膨れがっていきます。

 

確かに、お金に余裕があり、記念にでもなればと言う高齢者には良いかもしれないですね。

ただ、問題は、歌手になる方の歌唱力です。歌唱力なんて、どう評価するかが問題ですが

明らかに聴くに堪えない方が、歌手デビューしているのを結構見受けます。

1コーラスでも聴くに堪えないのに、わざわざ、フルコーラスを唄いますからね。

みなさん、歌手ご本人がいるときは「スバラシイ曲ですね」なんて

ヨイショして持ち上げていますが

歌手が帰っていくと「よくもまあ、あの歌で歌手なんて、馬鹿馬鹿しい」

いい笑いものにしています。

 

また、ある会場で、ローカル歌手の方からCDを渡されました。私自身、その方の曲に興味がなかったので

「ほかの方へ渡してあげてください」

とお断りしたところ、

「聴かなくても良いので、封を切らなくても良いので、もらってくださいよ」

 

もう情けなくなりました。何のために歌手デビュー、何のためにCDを大量につくったのか。

歌手の価値とは何でしょうかね、商売になれば、何でもありですかね。

やはり歌手ですから、一定の歌唱力、人に聴かせる表現ができる人だけに歌手になっていただきたいものですね。

 

その一方、お金が用意できないからといって、若い才能が浮かばれないことは本来あってはならないと思います。

「世の中、金だよ、金がないと何もできないんだよ」

あきらめにも似たことを言う人も多くいます。なんともやるせないですね。