まいまいず井戸 | 武蔵野台地調査隊

武蔵野台地調査隊

武蔵野台地の湧水と北アルプス中心の登山日記です

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[児童用]
 東京都の羽村駅前に珍しい井戸があります。普通の井戸は、まっすぐな筒型をしていますが、この井戸はカタツムリのようにうずを巻いた形です。
 「まいまい」はかたつむりのことです。

 羽村駅は多摩川の近くにあり、むかし、人々は多摩川の洪水を避けるため、やや高台の羽村駅付近に住みつくようになりました。

 ところが、川からはなれたので、水から遠くなり、井戸を掘ることにしました。高台なのでやや深く井戸を掘ることになり、ある程度の深さまで写真(上)のように渦巻き状に道を作って掘り下げました。

 こうすることで、水をくみに来た人は、浅い地下水面から楽に水をくむことができました。

 真っ暗な井戸の中をフラッシュで撮影してみました。
 すると、写真(下)のように水面が写っていました。いまでも地下水面があるのです。


[一般用]
 羽村の駅前にこれがあったのかぁ、というくらい本当に駅の目の前にありました。上から見るとカタツムリのように通路が螺旋状に下がりながら井戸にたどり着きます。肉眼では水面は見えませんが、一か八かでフラッシュ撮影してみると、なんと、水面がありました。内壁面は石積みになっています。
その昔、多摩川の水辺で生活していた人々が水害に遭い、やや標高の高い羽村あたりに移転したときに井戸を掘ることになったのが発端だそうです(前出「地下水の世界」)。
 この形にすることで、井戸の距離が減り、重い水を運ぶのも緩斜路ゆえ楽ちんということでしょうか?でも、もしかすると、最初はもっと浅い位置で水が出ていたのに、だんだん地下水面が下がって、どんどんどんどん掘り下げたのかもしれません。