第86番札所「補陀洛山志度寺」
北側の駐車場の近くに凝灰岩で造られた古い石塔が祀られています。
謡曲「海士」でも知られる「海士の墓」です。
藤原房前が行基と共に、母の菩提を弔うために千基の石塔を祀ったと言われる中の数基。
ここにはいつも花が供えられ、打ち水がされています。
「海士の墓」を守していらっしゃるのがこのおばあさん、御年89歳、墓守を始めてもう20年近くになります。
冬の盛りでもお墓の傍でお参りに来る人達に声をかけるんです。
「よう来て下さったなあ。」
海士の墓は、文化財の保護の為、ものものしい柵に囲まれたままです。
早くこの無粋な柵が取り払われると良いのですが。
ただでさえ脆い凝灰岩、人の力で容易に崩れます。
私達一人一人が、大切な文化財を守ろうという意識を強く持つ必要があります。
そうすることで、凝灰岩で出来たこの墓は後世まで残り、いつかは柵も取り払われることでしょう。