トラベル特集――台南(後編) | 台湾観光のブログ

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トラベル特集――台南(後編)

企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/季子弘

 

 

台南
山の美を楽しむ

台南といえば、台湾鉄道台南駅を中心とした歴史ある市街地や、塩づくりの歴史を持つ沿海エリアが有名だが、実は山間部にも魅力的なスポットが多い。今回は、マンゴーの故郷として知られる玉井(ユージン)、荒涼とした山地が幻想的な大内(ダーネイ)、日本時代建設の灌漑ダムが残る烏山頭(ウーサントウ)、台湾で唯一泥温泉が楽しめる関子嶺(グァンズリン)をめぐり、豊かな山の恵みを味わう旅に出かけてみよう。

 

おすすめコース
1日目:高速鉄道台南駅➡玉井➡大内➡関子嶺温泉
2日目:関子嶺温泉➡烏山頭水庫

 

 

 

烏山頭水庫
烏山頭は台南市中央の官田区と六甲区の境、海抜468 メートルの烏山嶺に位置する。4700ヘクタールあまりにもおよぶという、広大な山林が周囲にひろがる風光明媚な場所だ。

Access: 台湾鉄道善化駅から車で15分、または橘4バスで「烏山頭水庫」下車
※園内が広大なため、チャータータクシーの利用がおすすめ
 

烏山頭水庫風景区

日本人土木技師の八田與一氏の指揮のもと、1930年に完成した「烏山頭水庫(烏山頭ダム)」と嘉南平原に張り巡らされた給排水路からなる「嘉南大圳(かなんたいしゅう)」は、台湾で最大の農水施設。

 

 

官田渓をせき止めた烏山頭のダム湖面積は約13平方キロメートル。ダムによる灌漑で、広大な土地がありながらも水資源が乏しい不毛の土地だった農地面積90000ヘクタールの嘉南平原は、台湾最大の穀倉地帯となった。

 

 

上空からは珊瑚のような形に見えるため「珊瑚潭」とも呼ばれている。たくさんの小島が浮かぶダム湖、送水口、資材運搬用の蒸気機関車などが当時のままの姿で旅人を迎える。ダムの一番高い場所には八田技師の銅像が置かれ、烏山頭ダムを心から愛した八田夫妻もここに眠っている。

 

 

八田技師の功績をたたえ、2011年にはダムの技師宿舎群を修復した「八田與一紀念園区」が完成した。再建された「八田宅」「市川および田中宅」「赤堀宅」「阿部宅」の4軒には、八田技師の故郷である金沢市の有志から寄贈された古い家具が置かれ、往時の雰囲気を伝えている。園区内には美しい庭園やカフェ、土産物販売コーナーもあり、ゆったり散策を楽しめる。

 

八田宅の庭に置かれた八田外代樹夫人像

赤堀宅は和菓子店として利用されている

烏山頭水庫風景区
Add: 台南市官田区烏山頭里嘉南68-2号
Tel: +886-6-698-2103
Open: 8:00-17:30
Ticket: 大人NT$200、乗用車駐車料NT$50(園内での車利用可)
WEB: wusanto.magicnet.com.tw

八田與一紀念園区
Add: 台南市官田区嘉南里66号
Open: 月曜-金曜9:00-12:00、13:30-17:30、土曜・日曜・祝日9:00-17:30、水曜休園
Ticket: 烏山頭水庫風景区入場券で入場
WEB: wusanto.magicnet.com.tw
 



関子嶺温泉
関子嶺は台南市北部白河区の山間部に位置する温泉地。温泉谷に流れ込み地熱によって温めらた白水渓の水が温泉の水源となっている。温泉につかり、緑あふれる風景と山の幸を満喫しよう。

 

Access:

1. 台湾鉄道嘉義駅から嘉義客運バス7214で「関子嶺(嶺頂公園)」下車
2. 高速鉄道嘉義駅から台湾好行バス関子嶺故宮南院線で「関子嶺」下車(金曜-日曜・祝日のみ運行)
 
 

歴史ある旧温泉街を歩く
関子嶺老街

関子嶺温泉は、台湾で唯一の泥温泉。北投・陽明山・四重渓温泉と並ぶ台湾四大温泉のひとつでもある。

 

 

源泉は「宝泉橋」と「火王爺廟」の2か所。泉質はPh約8.2の弱アルカリ性炭酸水素ナトリウム温泉で、水温は約75℃。疲労回復、胃腸病、関節炎などに効能があるといわれ、入浴後は肌がしっとりすべすべになる名湯だ。

 

 

宝泉橋の源泉から川上に続くウッドデッキは、日本時代に日本人が開発した旧温泉街「関子嶺老街」に続いている。1905年開業の日本式旅館「関子嶺温泉旅社(旧龍田屋)」などが残り、往時の温泉街の雰囲気が感じられる静かな路地だ。毎年9月から10月にかけて開催される「関子嶺温泉フェスティバル」の期間には多くの観光客が訪れ、浴衣を身に着けて老街での記念撮影を楽しんでいる。

 

関子嶺温泉旅社(旧龍田屋)

 

 

 

山の神秘に触れる
火山碧雲寺

枕頭山脈を背にたつ「火山碧雲寺」は、清代の1808年に建設された古刹。中国閩南と日本の様式が融合した廟には、仏教と道教の神仏がともに祀られている。色鮮やかな装飾が美しい山門をくぐり正殿に入ると、慈悲深い表情の観音菩薩に迎えられる。

 

 

正殿での参拝を済ませたら、後方のエレベーターで最上部の三宝殿まで上がってみよう。ここからは、廟全体の様子を見渡すことができる。下の階にはカラフルな観音菩薩と仙人・仙女が並び、廟と街を見守っている。廟の正面広場前には嘉南平原の絶景が広がる。廟が西に面しているため、太陽が沈む夕刻の光景は特に美しい。

 

Add: 台南市白河区仙草里火山1号
 

水火同源
火山碧雲寺から西南1キロほどに位置する「水火同源」は、関子嶺を代表する観光スポット。岩壁のすき間から噴き出した天然ガスの炎が、同じ場所に湧き出た泉の水の中で消えることなく燃え続けるという不思議な景観により、台湾7景に選ばれている。

 

Add: 台南市白河区関嶺里18号
 

関子嶺のグルメ
関子嶺茶壺鶏

関子嶺を代表するグルメといえば、鶏の丸焼き。数ある店のなかでも、大きな茶壺(急須)で焼き上げる地鶏の美味しさで大人気なのが、「関子嶺茶壺鶏」だ。

 

 

地鶏は「黒羽土鶏」を使用。特別に調合した調味料に鶏肉を漬け込んでから、麦芽糖をかけて焼き上げる。香ばしい皮は北京ダックのようにパリパリで、ジューシーな鶏肉はそのまま食べてもしっかり味がついていて美味しい。茶壺鶏をメインに、筍と椎茸のスープや山菜の炒め物など、人数に応じて店自慢の料理を頼んでみよう。

 

Add: 台南市白河区仙草里62-10号
Tel: +886-977-449-931
Open: 10:00-21:00、火曜定休
 

沐春温泉湯宿―老教堂咖啡

中国風の瓦屋根の建物は、もとは日本時代の1930年に建設されたカトリック教会だった。

 

 

建物内は天井が高く奥に向かって縦長の構造になっており、礼拝堂だったころの面影が残る。目の前には緑深い山が迫り、足元から渓流のせせらぎの音が聞こえてくる。

 

 

時が止まったような空間で台南産コーヒー「東山咖啡」を味わいながら、爽やかなカフェタイムを楽しみたい。

Add: 台南市白河区関嶺里関子嶺27号
Tel: +886-6-682-3232
Open: 11:00-19:00、木曜定休
 

木成香菇場
関子嶺は有名な椎茸の産地。「木成香菇場」で販売している自家栽培の椎茸を使った干し椎茸は、香りのよいだしがとれると評判。サクサク食感の椎茸チップス「香菇酥」はお茶請けにぴったり。

 

Add: 台南市白河区儒林路282号
Tel: +886-6-682-2086
Open: 8:00-21:00
 

関子嶺香菇蛋
椎茸のだしが香る煮卵は、温泉街で人気のおやつ。仕込みから完成まで2日かかるといい、真っ黒になるまで煮込まれた椎茸も味が染みて美味しい。

 

Add:台南市白河区関子嶺41-5号
Tel: +886-933-669-759
Open: 11:00-21:00 、水曜定休
 

関子嶺のホテル
関子嶺統茂温泉会館

関子嶺温泉の泥温泉を堪能するには宿泊がおすすめ。「関子嶺統茂温泉会館」は関子嶺でもっとも規模が大きく、設備も整っているホテル。

 

 

全79室の客室は、半露天温泉浴槽つきと一般浴槽のみの2タイプ。宿泊者は自由に大浴場を利用できるので、1日中思う存分泥温泉を満喫できる。男女別の室内大浴場は日本式に服を脱いで利用するスタイル。

 

バルコニーに半露天温泉浴槽つき「湯屋」タイプの客室

 

屋外露天風呂は水着を着用。泥エステ体験を楽しむなら、ぜひ屋外露天風呂へ。泥を洗い流した後の肌はしっとりすべすべ。1度体験するとやみつきになる。屋外プールは肌あたりが軟らかい天然冷泉を使用しており、温泉入浴後のクールダウンに最適。

 

 

レストランでは、放牧地鶏や猪肉、椎茸、蓮根など地元の山の幸を盛り込んだコース料理が味わえる。

 

Add: 台南市白河区関嶺里関子嶺28号
Tel: +886-6-682-3456
Open: 屋外露天風呂・室内大浴場7:30-22:00 、屋外プールは火曜・木曜メンテナンス休場
Ticket: 屋外露天風呂と室内男女大浴場利用は宿泊者無料
      日帰り温泉ドリンクつき入場券NT$320
WEB: guanziling-uniongo.toongmao.com.tw