台湾での結婚について考える。2022 夏 | カミングアウトしない彼との台湾生活

カミングアウトしない彼との台湾生活

台北で暮らす日本人ゲイの日常。1982年生まれ。高卒後18歳で実家出る➡︎フリーター➡︎借金550万➡︎路上生活➡︎工場派遣➡︎完済➡︎30歳過ぎで台湾へ➡︎投資ビザ・起業➡︎外国専業人材➡︎永住権取得(2022年)。中古マンション情報ウォッチング、時々、大家さん。

「ゲイカップルの結婚」について考える事は今でもよくあります。私が日本人である以上、台湾で台湾人の彼と結婚する事は法律上不可能なのですが。

 

ただ、それも時間の問題のような気がしていて、いずれ可能になるのかなという予感もあります。だからこそ「結婚」を意識したり想像してしまうんです。

 

想像してみた結果、私は結婚について前向きではないというのが今の考えでした。理由はいくつかあるんですけど、そのうちの一つはミンさんの両親です(本当に失礼で申し訳ないんですが)。

 

実は台湾に移住した最初の半年間、「友達」として彼の実家で暮らしていた事がありました。が、ギブアップしてしまい逃げるように一人暮らしを始めたのです。

 

彼の母からは、たとえばヘアカットするにしても、400元かければ「高い」と言われ、近所の80元カットへ行くよう押し付けられました。従って行ってみると、注文とは異なって角刈りのような髪型にされてしまったりショックの連続でした。

今となってはそんなのどうって事ないんですけどね。

 

それで、ミンさんにこっそり文句を言ったり、「私はあんなところでカットしてるのに、お母さんは高い店で切ったりパーマかけてるよね!」と強めに言っては大喧嘩になってました(角刈りのような髪型で訴える私)。こうなると、ミンさんは私の味方にはならないんです。

しょーもない喧嘩ですね、、反省。

 

他にも、楽しみであるコーヒーを外で飲んでる事がお母さんに知られれば、「健康に悪いから飲まないで」と嫌な顔で何度も言われたりしました。お茶やジュースもNGでひたすら水をすすめられます。

 

指定・制限される食べ物や飲む物。移住したばかりで、好奇心が強く、新体験を求めていた当時の私にはきつかったです。ぶつける相手もミンさんしかおらず、しかし伝えれば喧嘩になってしまうので私はふさぎ込むようになり、ストレスを感じる私と母親の間で板挟みとなったミンさんも動揺してました。

 

自分の努力の結果で何か良い事があったりすると、「神様にお礼を言って」と祭壇に向かい頭を下げさせられるのもたまらなかったです。私は特に神という存在を否定している考え方ですし、何より自分の成果なので神が私に何かをしたとは1ミリも感じません。しかし状況に配慮して私は頭を下げましたね。

 

思いやりで言ってくれるのは分かるんですけど、同居の中での「縛り付け」や「監視」にメンタルがだいぶやられましたね。「水を飲め」と差し出されたら、断らずすぐに受け取り、飲み干す姿を敢えて見せるようにもなりました。

 

この母による縛りは夫やミンさんに対しても同じで、ミンさんはそれが当たり前という環境で育ったようです。

 

ミンさんのお父さんは今、コロナ感染を恐れ、母から外出禁止命令が出されています。数ヶ月もの間、ほとんどマンションの外に出ていません。逆に健康を損なうのではと心配になります。

 

ちなみに彼のお父さんはよく「關心我」と言ってます。直接的な意味はよくわかりませんが、「俺を気にかけろ」という意味なんでしょうか。ミンさんは昔から両親に何でもしてあげます。そこまでするの?ってくらい。じゃないと怒られるそうです。

 

これが台湾では普通なんだと思いますが、同居、非同居にかかわらず、台湾で結婚したらこの「關心我」にずっと付き合わないといけないのか。親から放置された環境で育った私には無理です。

 

こんな心構えで結婚してしまったらおそらくトラブルになるのでしょうが、私が大好きなミンさんをこんな風に育ててくれたのはこの両親ですから、彼とずっと一緒にいる事は、おいしいどこ取りをしているようで、申し訳ないと感じる気持ちもあります。

 

勝手ながら、私たちは今のカミングアウトしない状況、これがベストなのかなぁと思っているんです。周囲に秘密にしたまま結婚する方法もあるんですかね。そういう方法は全く検討していませんが。

そもそも今のところ、結婚願望がそんなにない。

 

結婚観は年齢によって変化していくかもしれませんので定期的に書こうと思います。続きはまた今度。