2024年3月17日、私の大好きなロンドンの老舗ジャズクラブ「ロニー・スコッツ」にヴィンセント・ハーリングがやってきた。コロナ時代から「スモーク」などNYクラブ発の配信で何度も観てすっかり心酔していたが、とうとう生で観る機会に恵まれた。そして、なんと、今回の「ソウル・ケミストリー」のツアーには寺久保エレナが参加!これまた生で聴くのは初めてでダブルのラッキー!

 

<主な曲目>

Elation

Larry Fine

9 to 4

Rocky (寺久保エレナ作)

The Many Ways of Desire(J.ダドリー作) 

Little Girl power (寺久保エレナ作)

 

一曲目「エレーション(イレイション)」からエレナが火の出るようなソロで飛び出して、バンドをまさに一気に高揚させる。北ドイツから約10時間のハードな移動後とは思えないパワーでした。(欧州ツアー連日、楽な移動は1日もなかった様子…)

 

エレナさんはかつてヴィンセントの生徒だったのだが、ヴィンセントによると「日に日に上達して驚かされた。彼女はもはや生徒ではない」ある日、ツアーで不在にした際、自身の教室の代理をエリック・アレクサンダーに頼んだことがあり、彼も「たまげた!(Holly shit!)」の一言だったそう。

 

ヴィンセントと20年以上プレイしているジョリス・ダドリーはドライブ感抜群のドラムスで魅了。かつてアートブレイキー&ジャズ・メッセンジャーに在籍したエシエット・エシエットのベースはバンドを太くしっかり支えていた。ギャリー・フィッシャーのほとばしるピアノはすばらしく、後光が差すようであった。

 

アルトが二人いるのでヴィンセントは数曲テナーに持ち替えていた。「こういうのが聴きたい!」という、胸のすくストレートアヘッドなジャズが聴けて嬉しかった。ヴィンセントの丁寧なコンセプトが至る所に浸透した素晴らしいバンドでした。

 

ステージ後、もれなくサインしてくれるというのでCDを2枚買い楽屋へ。ヴィンセントもバンドの皆さんも快くサインしてくれて、その後エレナさんと話すことが出来た。何しろ、(年代はず~っと前になるが)私は彼女の隣の高校に通っており、「えーっ!みんな聞いて聞いて!高校がお隣同士だったの!」と札幌話にもしばし花を咲かせ、とても幸せな時間を過ごしました。