人生は無意味だという人は多い。そういう人は、自分という存在は勝手に誕生し、とにかく生かされ、そしてある時死ぬという不条理な宿命を受け入れているわけで、おそらく、死んだ後にまた生まれ変わるような(とくに低級な生き物に)場合にも何の疑念も不満も抱かずにその転生を受け入れて、輪廻の鎖に引きずられ拘束されるがままなのだろう。


一方で、人生に意味があるかどうかはわからないけれど、意味があるという可能性をきちんと想定している人は、死後変な生き物に転生せよと命令されてもそんな理不尽な命令には従わないで、きちんと拒否し、輪廻転生の業から開放され、無の平穏に居続けられるだろう。


要するに、知的水準が高くもないのに、早々と人生に意味がないと結論づけたり、考えようとしなかったりするような人は、それなりの不条理な世界に堕ちていってもそれに気づかない(まるで明るい炎に飛び入る蛾のように)。