木谷恭介という人の『死にたい老人』という本を読んだ。
83歳の著者の断食自殺(未遂)の体験記である。
心不全の持病があるのに、断食実行中に心不全の増悪で救急車を呼んでしまったりと「この人、本当に死ぬ気あるのか?」と疑問をもってしまうが、とにかく、まぁ、こういう本があってもいいだろう。少なくとも、この人の他の著作は他にもなん百冊もたくさんあるみたいだが、それらより全然貴重な本だろう。。。


この本で共感した・気になったキーワード

「人間は理性的に自殺できない」
要するに、うつ病などで精神が極限状態になっていない限り、普通の人は自殺の苦痛・恐怖に耐えられず、失敗してしまう。

「この世のことは全てそらごとであり、たわごとであり、まことはひとつもない」
この世で生きている間に何か大きなことを成そうと思っても、そんな理想・情熱は虚しい。まるで、寝ているときの夢の中でノーベル賞級の研究をしているようなもの。幻の中では真理は歪んでいて、正しく認識されていないから。

「人生とは、『生まれた、生きた、死んだ』それだけのことでしかない。何十年生きようと、何日ですぐ死のうと、要約すれば、『生まれた、生きた、死んだ』。」