世の中には
情報が無限に溢れている。
人一人が
一生かかって得る知識など
高が知れている。
物知りの人と無知の人に
大した違いはないのだ。
なのに
自分は他の誰かより
知識がある
と自負したりする。
他のみんなは知っていることでも
自分だけは知らない
ということだって
たくさんあるはずなのに。
人には
知的好奇心が備わっている。
知らなかったことを知ることに
喜びを感じるようにできている。
だから情報を得ようと
日々Xを追いかける。
秒で更新される画面を
全て読んでいたら
1日が24時間では
とても足りない。
とにかく
人より多くの情報を得たい
という気持ちが
スマホを手放せない
理由の一つになっているのでは
ないだろうか?
そんな底なし沼のガジェットを
作り出した側の人間さえも
自分の子どもにだけは使わせない
と言うほど
ヤバい代物なのだ。
(原爆かよ)
歳を取ると
記憶がどんどん消えていく。
私は"犬"について
殆どの犬種の名前が言えるほど
よく知っていたはずである。
しかし
犬から離れた生活になると
あらかた忘れてしまった。
人の記憶は
どういういう基準かは
わからないけれど
厳選されたものだけが残り
それ以外は
フェイドアウトしていく。
最終的に
覚えていることなんて
自分と子どもの名前と顔
だけでいい。
自分は誰よりも物知りである
という傲慢こそが
無知である。
自分の知識には限界があり
全てを知ることなど到底できない
と知っていることが
無知の知なのだ
と私は思う。