つながりがあっての葬儀でありたい
仏壇・仏具を扱う企業はお寺にとって取引先でもあります。檀家さん向けの仏壇・仏具のみならず、寺院用の仏具をお願いすることもあります。
企業でイベントやフェアをされる場合、招待状を頂いたときはなるべく足を運ぶようにしています。お接待を受けることが目的ではなく、情報交換が目的です。
今回の話題は「直葬が増えている」でした。
私も葬儀社さんを通じて話は聞いていたので、さほど驚きはありませんでしたが、業界ではトピックスになっているようです。
ちなみに直葬とは、通夜や葬儀を行わず火葬のみ行うことを指します。準備も少なく拘束時間も短いので遺族の負担を軽減することができます。
法事にて毎回ミニ法話をしています。
今回の法話は「我慢すること」です。
4月28日徳島新聞朝刊に岸本葉子連載エッセイが載っていました。テーマは「話し方にも効率化の波」でした。あらすじは次の通りです。
以前はコストパフォーマンスを上げて効率化を進めていたが、今は(タイムパフォーマンス」が大事だとされる。短時間でたくさんのことをこなすことが重要とされる風潮がある。タイムパフォーマンス向上のためなのか、話し方にも効率化を求めるのか早口になってきた
と書かれていました。
伝えなくてはいけないことが多くなると早口になってしまうのは仕方がないことですが、焦る気持ちを抑えて我慢をしてゆっくり話す、ゆっくり聞くことが大事です。
ちなみに供養の祭壇に花を供えるのは忍辱、我慢をすることが仏教の徳目であることを指しています。花は種から花が咲くまで風雨に耐え同じ場所でじっと我慢をします。やっとのことできれいな花を咲かせます。このことから、花は我慢の象徴となっています。
私は、供養は故人が亡くなってから10年以上経ってからが本当の供養になると考えています。時間が経ったからとタイパが悪いと故人を忘れることなく、我慢強く法事で集まった親類縁者で故人の思い出話をしてもらいたいと思います。