予定外の出来事が起こったとき、どう感じますか。
「腹が立つ」でしょうか。
「また、予定が狂った」と脱力するでしょうか。
「やってられるか」と投げやりになるでしょうか。
「新しいことができる」とチャンスに受け止めるでしょうか。

チャンスだと受け止められる方は、何をやっても成功する人です。現在、業績の良い経営者にこういうタイプが多いですね。たいていは、その他3つのうちに当てはまるのではないでしょうか。ちなみに、私は「また、予定が狂った」と脱力するタイプです。

名医が病人に薬を与えるときは、病状をよく見て薬の量や投薬時期を判断します。また、賢者が説法をしたり沈黙を守ったりするのは、時機と人を見て判断するからです。



弘法大師空海は世界に類を見ない天才でしたが、同時に悩んだり、もがいたりしながら努力を続けた1人の人間でした。その理由に、一族の期待を背負って京に上り大学に入学したにもかかわらず、中退して僧侶になってしまいます。それも国に認められていない、自己宣言しただけの僧侶です。

期待を裏切ってしまった悔恨を文章に著しました。出家宣言書とも言える「三教指帰(さんごうしいき)」です。悩みに悩んだ挙げ句、文章に書かざるを得なかった弘法大師空海の人柄が垣間見えます。

「忍辱(にんにく)」とは、字のままでいえば「耐え忍ぶこと」です。
しかし、弘法大師空海はどのように捉えたのでしょうか。私は、「機を見て、時を待ち、人を待つ」判断力と行動力だと思います。いつ動き、いつ跳ぶか、その機を逃さないことが「忍辱(にんにく)」なのです。

 


令和5年は弘法大師誕生1250年記念です。


私がお大師さまの生涯について書いた著書『積み重ねる生き方 〜空海に学ぶ自分の人生に満足する法〜』があります。


お大師さまは、突然に大学を中退して杳として行方が知れなくなってしまいました。7年間の行動が分からないのですが、この間にお大師さまが積み重ねてきたこととは?について考察しています。


ご一読を。


合掌


仏教の知恵で心豊かに過ごせますよう祈念しております。


お問い合わせや質問、祈祷のお申し込みは法話と天井絵の寺 観音寺 ホームページより承ります。





 

 

 

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