葬儀の途中で導師が立ち上がり、故人の生前について述べ別れを惜しむ諷誦文(ふじゅもん)を唱えます。

 

葬儀のときには、必ずご遺族と対面し故人の生前の姿について教えてもらいます。

心に残っているエピソード

忘れられない言葉

大事にしていたこと

など

 

ある方は、生前に切り干し大根や干し柿を作っては息子の嫁や実の姉や弟、親類に配っていたそうです。

なかなか器用に作っていたようで、ご遺族は口を揃えて「故人が作った切り干し大根や干し柿は美味しかった」と教えてくださいました。

人は誰かの役に立つことができるだけで喜びを感じることができるものです。

人の役に立つこととは、社会貢献のような大上段に構えるようなことでなくても、誰かを想いながら切り干し大根や干し柿を作ることでも喜びを感じることができます。

 

仏教では人の役に立つ行いを「利他行(りたぎょう)」としてとても大事にします。

誰かを想いながら日々を過ごした故人の最後の顔は穏やかなものでした。

 

私もこんな顔で逝きたいなと思いました。

 

合掌

 

仏教の知恵で心豊かに過ごせますように祈念しております。