振り返れば12年前になりますが、仏前結婚式を行ったことがあります。

神前結婚式が多いですが、お寺の本堂で仏前結婚式を行うこともあります。

お寺関係の方が結婚されるときが多いですが。

 

 

寺に仏具や備品を収めてくださっている担当者が結婚されるとの一報を聞きつけ、
「一肌脱ごうじゃないか」と10名以上の僧侶が集まって仏前結婚式を行いました。

結婚式は神前式やチャペルでの式が一般的でしたが、今では人前式など
形式にこだわらない式が増えています。めったにない「仏前結婚式」を
企画したプロデューサー坊主も、ちょっと粋ですね。


写真は、仏前結婚式が始まる前の式場。
正面の壇は「婚儀壇(こんぎだん)」です。
仏前結婚では、仏さまに戒を守って夫婦共に生きていくことを誓います。

式で最も重要な人は「戒師(かいし)」と言います。

仏さまに代わって新郎新婦に戒を授ける人です。


他に、三・三・九度の器などを準備する「丞仕(じょうじ)」と
司会進行役の「教授(きょうじゅ)」が協力して式を進めます。

私は司会進行役の「教授(きょうじゅ)」を拝命しました。めったとないチャンスに巡り会えて
ありがたいことでした。厳かな雰囲気を損なわずに、チラリと心遣いを見せる技が必要な
ポジションです。おかげさまで新郎新婦にも喜んでいただけたようで何よりでした。

夫婦は2人でひとつ。真言密教では金剛界と胎蔵界の曼荼羅を掲げますが、
これもふたつで一つ。心と体は、切り離すことなく一体であることを表します。
二つでないので「不二(ふに)」と表現します。

この世に夫婦はたくさんあれど、ご縁がある人は互いに1人だけ。
全ての夫婦は「不二(ふに)」なのです。

 

12年経った今でも御夫婦は、子宝にも恵まれて幸せそうです。
これからも末永く、お幸せに。

 

合掌

 

仏教の知恵で心豊かに過ごせますように祈念しております。