「兄ちゃん、大変だ」
「なんだよ、ゴールデンウィーク中だってのに」
「ねずみにゴールデンウィークも何もないでしょ」
「そりゃ、そうだけどな。
で、なんだよ」
「あのさ、かんたん登記申請って知ってる?」
「知ってるにきまってるだろ」
「え、知ってたの、兄ちゃん」
「あたりまえだろ、常識だ」
「いつの間に始まってたの?」
「令和5年かららしいぞ」
「え~、そんなに前から?
全く気づかなかったよ」
「ま、俺も例の検索用情報の申し出がオンラインでできるっていうのを見て初めて知ったんだけどな」
「やっぱりか」
「まあな」
「だって、法務局のサイトのトップページを見ても、どこにもリンクがないもんね」
「そうなんだ。印鑑証明書はオンライン請求が便利です、っていうバナーをクリックしても、申請用総合ソフトをインストールしろっていうページが表示される」
「全然便利じゃないよね」
「オンライン申請のご案内、をクリックしても、かんたん登記申請のリンクにはたどり着かない」
「なんでだろうね」
「登記ねっと、からだとかんたん登記申請のリンクは表示されない」
「どこから入ったらいいの」
「登記ねっとの一つ上の、登記供託オンライン申請システムのトップページだと表示される」
「なるほど」
「でも、同じページでも、スマホ用のトップページだと表示されない」
「なんで?」
「パソコン用のシステムだからじゃないかな」
「なるほど。スマホに表示されないのはわかるけど、なんで法務局のパソコン用のトップページには表示されないの」
「俺が考えるのに」
「うんうん」
「かんたん登記申請は、もともとの登記のオンライン申請システムとは別の担当者が作ってるんじゃないかな」
「デジタル庁とか」
「そこまではわからないけど、画面のデザインが違うだろ」
「そう言われるとそうだね、洗練された感じがする」
「たぶん、もとの登記のオンライン申請システムの担当者は、印鑑証明を申請用総合ソフトを入れなくても申請できるようになったってのを知らされてないんだ」
「そんなことある?」
「だって、印鑑証明書はオンライン申請が便利です、をクリックして飛んだ先のページを見ただろ」
「見た、見た」
「2025年4月1日に更新されてるページなのに、かんたん登記申請については一切触れてなくて、申請用総合ソフトをインストールさせようとするんだぞ」
「やばいね」
「かんたん登記申請を全く知らないか、かんたん登記申請をさせたくないかのどちらかだ」
「させたくない、は考えにくいね、さすがに」
「じゃ、やっぱり担当者が全く知らない、としか思えないな」
「そんなことあるのかなあ」
「あと、他の可能性としては、法務局から依頼を受けてサイトを運営してる業者が、依頼を受けてないところはノータッチって可能性はある」
「それなら考えられるね、依頼を受けたところだけ更新するから、依頼を受けてない内容までは手を出さない」
「法務局のサイト全体の整合性をチェックしてる責任者がいないんだろうな」
「そうだね、あ、そうそう、初めての方は『印鑑証明書のオンライン請求について』をご覧ください、って書いてあるからリンク先のPDFを見たけど、手数料が450円のままだったよ」
「それは法務局に教えてやれよ。気が付いたんだったら連絡しないと不親切だろ」
「ネズミの言うことなんて気にも留めないよ」
「それもそうだな」