「令和6年4月1日から相続登記が義務になるんだって」 | 登記を、もっと、わかりやすく。

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ふだんなじみのない登記簿について、できるだけ、わかりやすく説明させていただきます。わかりにくいところは、遠慮なく質問してください。よろしくお願いします。

法務局の屋根裏には、

 

ねずみの兄弟が住んでいます。

 

 

「兄ちゃん」

 

「なんだよ」

 

「令和6年4月1日から相続登記が

 

 義務になるんだって」

 

「何を今さら言ってるんだよ」

 

「何?相続登記って?」

 

「そこからかよ」

 

「だって知らない人も多いでしょ」

 

「誰に向けてしゃべってんだよ」

 

「そもそも登記ってなんだよ」

 

「何年、このブログやってんだよ」

 

「いや、そこから説明しないと

 

 始まらないでしょ」

 

「登記というのは、だな」

 

「うん」

 

「土地や建物を買ったり、建物を

 

 建てたりしたときに、法務局に

 

 届け出をするんだよ」

 

「なんのために?」

 

「そうだなあ、土地や建物を買っても

 

 法務局に届出をしなかったら、他の

 

 人に対してその土地や建物が自分の

 

 ものだと主張できないんだよ」

 

「なるほど、登記がしてあれば、他の

 

 人に対して、この土地や建物は私の

 

 所有ですよ、と主張できるってこと

 

 ね」

 

「そういうこと」

 

「だったら、登記をしないと自分のも

 

 のだと主張できないから、義務化し

 

 なくてもみんな登記するんじゃない

 

 の」

 

「それがね」

 

「うん」

 

「登記をするには、登録免許税がかか

 

 るんだ」

 

「登録免許税?何それ」

 

「登記をするときに、法務局に納める

 

 お金」

 

「登記をしなかったらかからないの」

 

「うん。登記をするときにかかるお金

 

 だから」

 

「ふーん、じゃ、そのお金を払いたく

 

 ないからみんな登記をしないの?」

 

「それだけじゃなくて、登記を申請す

 

 るには登記申請書を法務局に提出し

 

 ないといけないんだけど、その作り

 

 方にいろいろ決まりがあって、手間

 

 がかかるから、司法書士に依頼する

 

 人が多いんだ」

 

「あー、その司法書士さんへの手数料

 

 がまたかかるってことね」

 

「それに戸籍を集めないといけないか

 

 ら、相続登記をするには結構お金が

 

 かかると思われていて」

 

「ついつい後回しにしてしまってた、

 

 ってことか」

 

「そういうこと。

 

 今までは、いつまでにしないといけ

 

 ない、っていう決まりがなかったか

 

 らね」

 

「それが、令和6年4月1日からは、

 

 義務になると」

 

「期限がないと、ついつい後回しにし

 

 て、必要にならないとしないからね」

 

「登記が必要になるときって?」

 

「その土地や建物を売るときとか、土

 

 地や建物を担保にお金を借りる時か

 

 な」

 

「じゃ、その時でいいじゃん」

 

「ところが」

 

「なんだよ」

 

「相続登記は早くしておかないと、

 

 どんどん人数が増えてややこしくな

 

 るんだ」

 

「どういうこと?」

 

「たとえば、おじいさんの名義で、お

 

 じいさんが亡くなられたときにすぐ

 

 登記をしておけば、おじいさんの奥

 

 さんと子供だけが相即人だったのに」

 

「うん」

 

「相続登記をする前に、その子供が亡

 

 くなってしまったら、相続権はさら

 

 に、その子供の子供に移ってしまう」

 

「なるほど。

 

 子供の数が多かったり、孫の数が多

 

 いとどうなるの」

 

「法定相続人全員の戸籍と印鑑証明書

 

 とみんなの合意がないと登記ができ

 

 ないから、いつまでたっても相続登

 

 記ができない、なんてこともある」

 

「なるほど、相続登記をしたくても

 

 できなくなってしまうのか」

 

「そういうことなんだ」

 

「だから相続登記を義務化して、早め

 

 に相続登記を、ということなんだね」

 

「そうだね、どうせいつかはしないと

 

 いけないわけだからね」

 

「なるほど、よくわかったよ」

 

「なんだよ、この会話は」