「所有権保存登記より前の所有者って、調べられたりしないかなあ、って」 | 登記を、もっと、わかりやすく。

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ふだんなじみのない登記簿について、できるだけ、わかりやすく説明させていただきます。わかりにくいところは、遠慮なく質問してください。よろしくお願いします。

(前回のおはなし)

 

 

「兄ちゃん」

 

「なんだよ」

 

「ちょっと聞いてみるんだけど」

 

「なんだよ」

 

「所有権保存登記より前の所有者って、

 

 調べられたりしないかなあ、って」

 

「ああ、調べられることもあるね」

 

「あるよね」

 

「あるよ。

 

 所有権保存登記が一番最初の

 

 所有権登記だけど、その前に

 

 表題部に所有者として記載される」

 

「うん」

 

「表題登記をしてすぐに所有権登記を

 

 してたら、表題部所有者と所有権保存

 

 登記をする人は同じだけれど、

 

 長い間、所有権登記をしてなかった

 

 場合、表題部所有者と所有権保存を

 

 した人は違う可能性がある」

 

「だよね」

 

「ということは、所有権保存登記の前の

 

 所有者を知りたかったら、所有権保存

 

 登記をした当時の表題部の所有者欄

 

 を見ろ、ってことか」

 

「そうだね、コンピュータ化後に所有権

 

 保存登記がされてたら、全部事項

 

 証明書、コンピュータ化前だったら、

 

 コンピュータ化による閉鎖登記簿、

 

 かな」

 

「そうだな、たま~に表題部の粗悪移記を

 

 してる場合もあるけど、普通は

 

 コンピュータ化閉鎖登記簿で」

 

「あ、分譲マンションの場合も

 

 表題部所有者と所有権保存の

 

 登記名義人って違うよね」

 

「そうだな。その場合も、同じ。

 

 所有権保存登記をした当時の

 

 表題部所有者欄を見れば、

 

 調べられる」

 

「ということね」

 

 

(つづく)