法務局の屋根裏には
ねずみの兄弟が住んでいます。
「兄ちゃん、4月になったね~」
「何にも変わらないけどな」
「そんなこと言わずに。
ね、商業登記について教えてよ」
「商業登記??
何を今さら」
「商業登記って、
イマイチよくわかってないんだよね」
「何がわからないかな~」
「商業登記って、なんか特殊じゃん。
本店を管轄外に移転したら
登記簿を閉鎖するでしょ」
「するね」
「あれがわからない。
会社はなくなってないのに。
なんで閉鎖するかな」
「あ~。
船舶登記みたいに、
登記用紙を移送すればいいのか。
でも、いろいろ大変なんじゃない?
コンピュータに入ってるし、
閉鎖登記簿も移送しないと
いけないとなると...」
「なるほど。
それは確かに大変だ。
過去の閉鎖登記簿を
全部抽出しないといけないとなると」
「ま、それだけが理由じゃないと
思うけど。紙の登記簿の時からの
名残かな」
「だから、この際、一つ一つ
確認したいんだ。
商業登記簿の見方とか
請求の仕方」
「ねずみには必要ないけどね。
ま、じゃ明日からね」
「なんで」
「今日はエイプリルフールだから」
「ねずみにもエイプリルフールがあるの?」
「あるよ。
知らなかったのか?」
「知ってたけど」
紙の登記簿の時の名残だと思うよ。