「これで一応、表題部の見方は
終わろうと思うんだけど、
何か質問はある?」
「表題部の登記のさかのぼり方、
かな」
「なるほど、いい質問だね」
「とりあえず、コンピュータ化前の登記簿
を請求する?」
「う~ん、
甲区とか乙区とかも過去を見たい
のならそうなんだけど、」
「うん」
「表題部だけさかのぼりたいんだったら
いきなり土地台帳でいいんじゃないかな」
「え~~?そうなの?」
「なんでかわかる?」
「え~と、コンピュータ化の閉鎖登記簿を
見ても現在の登記事項証明書と
同じだから...?」
「そう。
コンピュータ化の時に、土地の表題部に
ついては、変更の経緯も移記してるから」
「あ、そっか~。
でも、移記してない部分もあるよね」
「あ、そうだね。
地番、地目、地積、変更の原因は
移記してるけど、所在の変更は
移記してなかったね...。」
「ということは、町名変更とかが
なければ、いきなり土地台帳でも
いいのか~」
「あと、分筆でできてる土地だったら
分筆元の地番の登記事項証明書だね」
「そうだね」
「あと、これは土地の場合だけで、
建物の場合は変更の経緯が
移記されてないから、やっぱり
コンピュータ化の閉鎖登記簿謄本
でないといけない、ということになるね」
「粗悪移記とかしてたら...?」
「そうか!
そうだね。一元化が昭和30年代後半
からで、粗悪移記がそのあとで、
粗悪移記の時に、表題部がまだ傷んで
なければその表題部は再使用している。
通常、一元化でできた表題部だから
そのまま再使用されてるんだけど、
中には表題部も粗悪移記されてる
場合もあるね」
「その場合は、やっぱりコンピュータ化
閉鎖登記簿を見ないとわからないよね」
「う~ん、いきなり土地台帳をとって
履歴がつながらなかったら
コンピュータ閉鎖登記簿謄本、
でいいんじゃないかな」
「なるほど」