■福鶴 純米大吟醸生原酒 1901酵母 限定試験醸造




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越中大将で定番の銘柄「風の盆」の福鶴酒造さんは、立山連峰に囲まれた富山県のほぼ中央の高台に位置し、毎年9月1日~3日の「おわら風の盆」で全国的に知られている風光明媚な町「八尾町」にあります。
嘉永元年(1847年)創業という伝統と歴史のある酒蔵で、恵まれた風土気候と三千メートル級の山々から流れる名水、伝統の技と妥協を許さないこだわりで、創業以来良質な酒造りを続けています。
今回は、KArg1901酵母で試験的に醸したお酒の紹介です。

日本醸造協会が2年ほど前に新しい酵母「協会1901号」を開発しました。
日本醸造協会は近年、頒布している既存の酵母を、尿素を生産しないタイプへの改良を進めてきています。
改良が済んだ酵母には「KArg」という名称がついています。
全国新酒鑑評会に出品するお酒に最も使われている「協会1801号」の改良にも取り組んだそうです。
ところが、この処理をした結果、協会1801号とは香りも味も明確に違う株へと変質してしまいました。そこで、これはまったく別の酵母として酒造会社に使ってもらおうと決め、新しい番号の酵母としての登場になったわけです。
その1901の酵母の特徴は以下の通りだそうです。

◇カプロン酸エチルの生成が協会1801よりも20~30%少ない
◇酢酸イソアミルの生成が協会1801よりも30~70%多い
◇酸度が協会1801よりも0.1~0.2mg高い

鑑評会で金賞を取る鍵はYK35みたいな鉄板スペックがあります。カプロン酸エチルの量と質が握っていると言われていますが、そのまま一般の市販酒として出すと、香りが強すぎると感じる人も多く、「このお酒はカプカプだあ」といって評価を下げる人もいるのではないでしょうか!?

日本醸造協会の研究員の話では、「吟醸の二大芳香であるカプロン酸エチルと酢酸イソアミルがバランスよく生成されるうえに、酸も高くなるので、大吟醸ながらも味の幅があって、香りとのバランスのよい物に仕上がるはずです」と話していました。
こちらのお酒は、五百万石50%精米の純米大吟醸の生原酒です。

まだ販売前ですが、生酛造りの純米大吟醸も今回仕込まれたそうで、ひやおろしのタイミングで蔵で熟成され出荷を待っています。
ちなみに富山県は18蔵ありますが、生酛造りをされている蔵は立山酒造さんと福鶴酒造さんぐらいだそうです。福鶴酒造さんは、30代の杜氏を新たに今後が楽しみなお蔵ですね!
この機会にゼヒお楽しみ下さいませ☆


越中大将