一閑張りって、元々、破れてしまったカゴをまだまだ使えるようにする技術だそうですね。

 

丁度破れたカゴがあったのでやってみようと思います!

 

その様子が一分でわかる動画はこちら↓

全編動画はブログ記事の一番下にあります。

 

細い部分だけじゃなく、支柱まで折れ、全体的に歪みが出ちゃってますねー。


この部分は、まだなんとかボンドで引っ付いてくれそうな気がする。

 

ってことで、折れた部分にボンドを塗りたくって、クリップで固定。

 

この部分↓は押さえてもぴょーんと飛びでてきてどうにもならなかったのでカット。

一閑張りの工程としては、

 

ベース(下張り)を貼る→お好みの紙をはる(上張り)→柿渋を塗る

 

で、この各工程の間に『一晩乾燥』が入るので、完成まで数日かかります。

 

一分で全容がわかる動画はこちら→YouTubeショート動画

 
 

 

では早速やっていきましょう!

 

ベースに貼る紙は、やっぱり和紙が良いのでしょうが、新聞でもできます。

 

他には、障子紙(ナイロンやアイロンで貼り付けるタイプはダメよ)の残りとかがあったら、それでもいけそうな気がします。

 

あと、キッチンペーパーでも良いみたいですよ。

 

一閑張り利庵rianさんの動画がすっごく参考になりました(感謝☆)↓

 

 
要は、シワなくぴっちり貼れて、後から塗る柿渋が染み込んでくれれば何でもいいんだと思いますよ。

 

私は展示した後の書道作品を書道家の方から譲っていただいてまして、それを貼っていきます。

こうした書道で使う紙は、他の紙と材料が違うっていう理由から、古紙回収に入れてはいけないんですよ。

 

つまり、燃えるゴミです。もったいなーい!

 

ってことで、どんどん活用していきましょう!

 

ノリは障子のりを使いました。

 

以前、ボンドでもやってみたんですが、柿渋をはじいてしまって、色がつかないわけではなかったけど、なんか薄くなった感じになったんですよね。その様子はこちら↓

あと、ボンドはすぐ乾いてしまって、手にめちゃくちゃ貼り付くので、あまりおすすめできません。

 

障子のりは、水を少しずつ加えながら伸ばしていってください。

 

どのくらいに薄めるか。

 

利庵rianさんは「しゃびしゃび」「ドレッシングくらい」っていう感じって仰ってました。

 

えーっ!そんな感覚的な表現、素人は困っちゃうんですけど―!って一瞬思ったけど、そこまで厳密さは要らないんじゃないかと思い至り、私の思う「しゃびしゃび」でやってみました。

 

トロッとサラッの中間くらい。かなり水が多めです。

 

紙を貼ってる最中「ちゃんとノリが効いてんのかなー?」って不安になるけど、乾燥したらパリッとなります。

 

ここで一つ注意点!!

 

障子のりを少しずつ水で伸ばすのが面倒だからといって、水を一気にドバーっと入れてしまうと、障子のりの塊が水にぷかぷか浮いて、つるりと逃げていくそれを一つずつ捕まえてすりつぶしていくっていう、さらに面倒な作業をする羽目になります↓

なので、ここは面倒くさがらず、『少しずつ』水を加えて伸ばしましょう。

 

では、紙を貼っていきましょう!

 

ここで、すごーーーーく重要なコツがあります!!

 

それは、『空気が入らないようにしっかり貼る』です。

 

カゴも紙もびしゃびしゃになるくらいにノリを塗り、上から指や濡れタオルでしっかり押さえて、完全に密着させていきます。←コツ!

これが成功を左右するほど重要です!!!

 

ここをいい加減にしてしまうと、乾燥した時に紙がペコペコと浮きます。

 

柿渋を塗ったら、柿渋パワーでなんとかなるんじゃないかと期待したんだけど、どうにもならず、結局全部剥がしてやりなおしました(経験者談)

 

全体に貼り終わったら、一晩乾燥させます。水で薄めたノリは後からまた使うので、ラップをして保存!

 

さて、乾燥すると紙が縮んで浮いてしまう部分があります。ピーンと固く張ってれば大丈夫と思うんですが、指で押してペコペコしていたら、カッターなどで切り込みを入れて、少し剥がしてノリをつけなおした方が良いと思います。

 

切り込みを入れて貼りなおすと、浮いてた分、すき間が空きますが、上から紙を貼り足せばOK!

 

小さな切れ端を貼り足す。

 

あと、このカゴは中央部分に支柱が重なって飛びててる為、カタカタして安定しなかったんですよね。

 

そこで、竹の割りばしを切って、糸底を作ってみました。

 

ボンドで引っ付けて、上から紙を貼ります。

ベースがきちんと貼れたら一晩乾燥させ、装飾です。

 

書の部分を上手く模様として貼り付けていきたんですが、大きなパーツを綺麗に貼り付けるのは素人には難しい!

というわけで、小さくちぎってあちこち貼り付けました。

 

私はベースが無地だったし、丈夫な和紙だったので、模様の切り抜きを貼り付けるだけで良かったかもしれないんですが、貼ったところと貼ってないところの厚みが変わるのが、良いのか悪いのかわかんなかったので、一応模様以外の部分も無地の紙を貼りました。

 

ここでまた失敗ポイント!

 

薄い模様は、柿渋を重ね塗りしたら目立たなくなってしまいます。てか、なりました。

柿渋を四回重ね塗りした結果です。赤線で囲ったとこに模様があるんですが、わかります??

 

時間が経って日に当たると、柿渋の色合いが濃くなってくるそうなので、ますます目立たなくなっていく事でしょう(T_T)。

 

柿渋の塗り回数を減らすか、濃い模様にするか。ここでよく考えた方が良いです。

 

空気を抜きながら、しっかり押さえてしっかり貼り付け!←コツ!

 

カゴの内側にはこの紙を貼りました。

画用紙なのか和紙なのかは分かりませんが、多分、書道作品を展示する際の台紙です。

 

小さくちぎって空気が入らないようにしっかり密着させながら貼り付け!←コツ!

 

一晩乾燥させたら、柿渋を塗ります。コツは『薄く塗る』事!

でも、どんぐらい薄くすれば素人には良いのか分かりません。

 

こういう加減の部分はやっぱり熟練者に習わないとわからないですよねー。

 

だんだん面倒くさくなって、ドベっとなった図↓

塗れてりゃいいのよ!

 

柿渋は、本格的に一閑張りをやろう!っていうんじゃない限りは、100mlで十分だと思います。けど、私が購入した『無臭柿渋』は500mlが最小単位の様子↓

 

私はホームセンターに1リットルのしかなくて、「ま、大は小を兼ねるでしょ!」と買ったんですが、結局ほとんど使われる事はなく、

 

『長期保存していると凝固(ゲル化)するので、できるだけ早くしようしてください』

 

という注意書きの通り、数年後、ゼリーみたいになっちゃいました。
 

『ゆるいジャム状の場合は、倍の水を加え混ぜて沸騰してください。この場合、陶器やステンレスの鍋を使用してください。』

 

と書いてあり、「ジャム通り越してゼリーになっちゃってるけどやってみよ!」と、指示通りやってみました。

 

そしたら普通に使えたけど、溶けてない塊(図の赤矢印)が残ってると色ムラになるかもしれません。

私は気にせず塗りたくりましたが、気になる方は茶こしかなんかでこした方が良いかも。

 

『柿渋を塗って乾かす』を繰り返すんですが、この回数も人によってマチマチで正解がわからないんですよ。

 

「丈夫にするために10回以上塗る」という人もいたり、「塗り過ぎると割れる」という人もいたり。

 

私は、柿渋を早く使い切らなきゃっていう思いと、最大限濃くしたらどうなるか興味あったので、めっちゃ重ね塗りしよう!と張り切ったんですが、4回塗ったところでせっかくの書の模様が見えなくなってる事に気付き、それ以上塗るのはやめました。

この場合、うす塗りか、もしくはニスでも良かったのかもですね。

 

そんな失敗を繰り返しながら作業している動画はこちら↓

私の失敗を乗り越えて行ってくれ!

 

出来上がったカゴは、元が破れてたなんて全然わからないくらいかっちりと仕上がりました。

 

昔の人はこうやって大事に長く使ってたんですねぇ。

 

てか、一体どうやって柿を発酵させた汁(柿渋)を塗ったら丈夫になるって思いついたん??

 

本当に不思議です。