毎年10月は村祭りがあり、いろいろと忙しい。
村祭りは宵宮と本宮からなる。宵宮は夜のお祭りであり、翌日の本宮では、一日中、御輿を担いで村中を練り歩くのである。
宵宮の日は村中の男性が朝8時に集合し、御輿を作るなど祭りの準備をする。さらに遡ること1カ月ほど前から、みんなは祭りで披露する太鼓や踊りの猛稽古を始めているのである。
さて、私は今年56歳になったのであるが、この25年ほど、祭はほぼ同じメンバーで行っているのである。
若いメンバーも入ってはくるものの、若干名である。しかも、いまの若い者はモヤシッ子というか、非常に線が細い。パワーがないのである。
かくいう私も過保護に育ち、お箸より重いものはもったことがない生活をしていたのだが、もう少しパワーはあったように思う。
(この話を事務所で自慢げに語ったところ、「社長のチンチンはどうやらお箸より軽いようだ」という噂が立った‥‥。これに関しては、後日、あらためて語りたいと思う)
若い者より、むしろ70歳過ぎで現役のお百姓さんをやっているおじいさんのほうがよほどパワーがあるのである。「そんなにムチャすると、脳の血管切れますよ!」と言いたくなるほど、顔を真っ赤にしながら重い御輿を担ぎ上げるのである。
とはいうものの、賢明な読者ならご想像に難くないと思うのであるが、25年間、同じメンバーだということは、老化は全員に平等に訪れているわけであるからして、御輿を担ぐパワーも右肩下がりに下がっているわけである。一人ひとりが感じる負担も、年々、重くなるばかりである。
宵宮ではたった1時間弱、御輿を担いだだけなのに、翌朝、私の腰は壊れていた。
「ゲゲゲ‥‥。きょう一日、どうなるのだろう‥‥?」
朝から心配だったのだが、祭の運営委員会の人から「ジュンちゃん、きょうは御輿の警備をしてもらわれへんやろか?」とありがたいお言葉をいただいた。
内心はとてもうれしかったのだが、「仕方ないですね‥‥」ともったいをつけた言い方をしながら引き受けたのである。このおかげで、この日、私はほとんど御輿を担がないというズルをしたのである。
しかしながら、警棒を振り回しながら村中を巡行したわけだからして、それなりに足腰は疲れる。また。最後の神社への宮入の際は、警備役の私もサポートに入り、ちょっとだけ気合いを入れて御輿を担いだのである。
そして、その日は祭が終わるやいなや、新幹線に飛び乗り、福岡ワークに向かった。
福岡ワークの1日目は浅野トレーナーに任せ、私は2日目からの参加であった。そして、夜遅く、福岡のホテルに着くと、シャワーを浴び、すぐさまマッサージをお願いしたのである。
「できるだけ、パワーのある男性でお願いします」
なにぶん、明日は一日、ヒーリングワークである。朝起きて、立てなかったりしたらシャレにならないので、「きょうは金に糸目をつけず、揉みほぐしてもらおう」という魂胆なのである。
が、やってきたマッサージさんは、パワーはあるもののスタミナがなく、心はヘタレという人物であった。
ヘタレなのに口は軽く、性格は自分本位。で、私に対して容赦なくひどいことを言うのである。
「石の地蔵さんを揉んでも、もうちょっと柔らかいですわい!」
「ハリか電気をあてたほうがよかですよ!」
あまりやる気を見せてくれなかったので、仕方なく、人生で初めて、マッサージのハシゴをしたのである。
そして、現れたのは女性のマッサージさんであったのだが、非常にマニアな人であった。
「どうしたら、こんなに凝り固まった体になれるんですか?」
躊躇しつつもそう聞いてきたのであるが、どうやら治療家魂に火がつき、「揉みほぐしてやろうじゃないの!」というチャレンジモードに入ったようであった。「お客さん、90分もらえませんか?」と、やる気満々である。
で、私は答えたのである。
「いいですけど、これでも先ほど、男性のマッサージさんに90分揉んでもらったあとなんですよ」
すると、彼女の口数が急に減り、二人の間には気まずい空気が流れたのであった‥‥。
しかしながら、翌日、私の腰はまったくなんともなく、快調だったのである。が、首と肩と足首はまったくもってひどいものであった。
来年の祭り‥‥、どうなるのであろうか?
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