毎年、5月の連休には、わが師の来日セミナーが東京で開催される。もう四半世紀以上のおつきあいになるのであるが、いちおう、駆け参じるわけである。
私が師匠と見込んだ方なので、すべてにおいて私以上の人である。
まず、わが師はイタリア系アメリカ人で、一緒に並ぶと私がスマートに見えるぐらいボリューミーなお方である。
御大は自身の心理学の流派をおこし、世界各国を飛び回っていらっしゃるのであるが、最近は日本に年1回来るのがやっとというぐらいの売れっ子である。
今年66歳であり、それなりのお年なのであるが、しかし、実際に会った人がみな「年を感じない」というほどエネルギッシュなお方である。
私はよく「どんなものでもワークにしちゃうんですね」とか「あんなワーク、よくできますね」などと人から言われるのであるが、わが師は師であるがゆえ、私以上である。
昔、私が師から受けたワークで、「”僕はゴジラが好きだ”というセリフをミッキー・ローク風にセクシーに言ってみたまえ」というのがあった。
はたして、これは心理学的にどのような意味があったのかはいまだに理解不能である。が、しかし、いまの私がこのようにセクシーでダンディなおじさんになったことを思えば、きっとあのワークには絶大なる効果があったのだと思う。
出会った当時、師はまだいまほどの売れっ子ではなく、ちょうどハワイにおうちを買ってまもないころでもあり、いわば日本に出稼ぎに来ているようなかんじであった。
当時はセミナーといえば宿泊セミナーであり、師も四人部屋の和室にみんなと一緒に止まっているような状況であった。いまはもう、それなりのホテルのスイートルームに一人でご宿泊あそばれているのであるが‥‥。
いまではなかなかできないことであるが、20数人の参加者で10日間のセミナーをしたこともある。
フォーカスパーソンが7~8回当たるのである。いまのように、参加者が200人を超えることもあり、フォーカスパーソンもくじ引き抽選という中で受講しているみなさんからすると、なんともうらやましい話であろう。
その当時はそれなりにたいへんなこともたくさんあったが、それ以上に、楽しいことのほうが多かった。夏は富士山のふもとで宿泊セミナーをするのであるが、ランチを食べてから、テニスなんかも楽しんだ。
また、東京のあとに九州でもセミナーをすることもあり、その移動日には一緒に京都観光をしたり、わが家の近くにあるフルーツ・フラワーパークに宿泊し、神戸ステーキを堪能したりしたことなどもあった。
あのころ、おたがい金はなかったのであるが、ヒマはものすごくあったのである。
ちなみに、このときは神戸ステーキがたいへんお気に入りになり、帰国後、どうも、そのおいしさを奥さまにだいぶ大げさに伝えられたようである。
次の年、奥さまが京都にセミナーに来られた際、菜食主義の禁を破り、ステーキを口にしてしまったのである。その結果、あのように美しくスリムであったおからだが‥‥‥‥‥‥。
ひょっとして、私のせいかもしれません‥‥。
最近の師のお気に入りはインド料理である。
昔、来日時にチキン南蛮にハマッていらっしゃった時期もあったのだが、最近はなんといってもインド料理で、来日するたびに召し上がる。血糖値の高い私にカレーは天敵なのであるが、その日ばかりはご一緒させていただく。
今年6月、10年ぶりにカナダまで、師ご夫妻のセミナーを受けにいく。
師はハワイにお住まいなのだが、これからは世界各国で行っていらっしゃるセミナーを減らし、ハワイでのセミナーが増える予定なのである。
お体をお大事にして、いつまでもセミナーを続けていただきたいものなのである。