4月のある平日、私は伊丹空港07:40発の便で熊本に行ったのである。
この日は九州地区のシティホテルの合同のカンファレンスのようなものがあり、そこで2時間、話をしてくれという依頼を受けたのである。
そう、九州の一流ホテルが集まっている場所だからして、優雅かつ品のよい話をしなければならないのである。
話は変わるが、先日、『週刊プレイボーイ』
からコメントを求められた。「最近の若い男性の中には、アダルトビデオにモザイクを求める人が多い。それは、なぜか?」というものである。
ふつう、若者というものは、あのアダルトビデオのモザイクを「なんとかして消す方法はないか」と考え、そして、「なんとかして、あのモザイクの向こう側の世界をのぞいてみたい」と思うものである。
が、最近の若い男性にアンケートをとったところ、約8パーセントが「モザイクはあったほうがいい」と回答したそうなのである。
たかが8パーセントと思うかもしれないが、しかし、『週刊プレイボーイ』はそんなにも多くの男性がモザイクはあったほうがいいと思っているという結果に驚愕し、特集を組んだ次第なのである。
インタビューは電話だけで、文中には私の写真はなく、「このジャンルに造詣の深い神戸メンタルサービス代表の平氏は‥‥」など、数カ所に名前が出ただけの記事であった。そのままでは、ほとんどだれも気づかないようなものだったのである。
が、しかし、先日以来、「いやー、平さん、モザイクの記事、読みましたよ」と、ものすごく多くの人から声をかけられるのである。
で、『週刊プレイボーイ』の読者はこんなにたくさんいるのかとビビッていたところ、なんとこの記事がインターネットのニュースに取り上げられていたそうなのである。
で、いきなり下品な権威者になってしまったのであるが、ここで話を戻すと、きょうは優雅かつ品のよい話をせねばならないのである。
講演は2時から4時までだったのであるが、せっかく九州に行ったわけなので、日航ホテル熊本のレストラン『セリーナ』でランチブッフェを食べる約束をしたのである。
今回のカンファレンスの幹事はホテル日航熊本のスタッフの方で、数カ月前にもこのホテル日航熊本まで足を運び、打ち合わせをしていたのである。
もちろん、この日の宿は熊本のとある温泉地に決め、講演が終わったらすぐ宿に向かうという段取りもした。
熊本空港でレンタカーを借り、ホテル日航熊本の駐車場にそのクルマを入れた。あとでスタッフの人にお願いし、駐車料金タダのスタンプを押してもらおうというセコい魂胆なのである。
そして、その日、早く着きすぎたので、ホテル日航熊本の前にある熊本随一の百貨店・鶴屋百貨店を探訪し、時間をつぶし、昼前にはホテルのロビーに行ったのであるが、だれもいないのである。
待ち合わせの相手に電話をかけてみた。
「え、私、フロントの前にいますけど‥‥、いま、フロントの前には外人さんしかいませんねぇ」
まったく、話が合わないのである。
いやな感じを感じ、「どこにいるの?」と聞いてみたところ、福岡の日航ホテルのフロント前だというのだと言うのである。
きょうの講演はなんと、ホテル日航福岡だったのである。
「ゲゲゲ!」
しかしながら、私のこのような日のために、JRは最近、九州新幹線をオープンしてくれたのである。最速の『みずほ』に乗れば33分、こだまタイプの『つばめ』に乗っても50分ぐらいで博多に着けるのである。
そして、なに食わぬ顔で福岡に移動し、講演を終えたのであるが、大問題が一つ残っているのである。
そう、7時までに温泉宿にたどり着かないと、晩メシにありつけないのである。
いまから新幹線を乗り継いで熊本に帰り、そして、ホテル日航熊本に停めてあるレンタカーに飛び乗り‥‥う、たいへん! スタンプが押してもらえないので、駐車料金が自腹になる(ノД`;)‥‥阿蘇山のふもとの温泉までクルマをぶっ飛ばさなければならないのである。
ちなみに、その宿に着いたのは、18時56分であった。