このトシになって、またもや、人生で初めての体験をし、戸惑っている今日このごろなのである。
ものすごく熱いアプローチを受け、戸惑っているのである。
それも、日に何度も何度も、執ようで魅惑的なお誘いを受けているのである。
そう、人生で初めて、迷惑メールというものを体験しているのである。
多くの人がとても迷惑しているという迷惑メールに、なぜか私はいままでまったく縁がなかったのである。
この話をすると、だれもが「よくもいままで迷惑メールの餌食にならなかったものですね」とビックリされるのであるが、ただの一通も来なかったのである。
うちの奥さまのところになんか、それはもう、3分に1本ほどガンガン入ってきているようなのであるが、私のところにはいままでまったくそういうものがなかったので、意外と楽しんでいる今日このごろなのである。
ある日突然、「3億円さしあげます」などというメールが来たのだからして、それはびっくりした。
すぐにうちの奥さまに相談したのであるが、彼女のところには一日に何回も3億円あげるというメールが来るらしい。
「おお‥‥、夫婦で6億か。余生、ラクができるなぁ」
などと考えているハナから、「1億円さしあげます」というメールも来る。
不思議なもので、3億円くれるというメールのあとだからして、「ケチりやがって、こいつ‥‥」といやな気分になったりする。
そんな話を家族でしていると、うちの息子なんか、嵐の櫻井翔くんから「芸能人ではない僕とメル友になってください」というお誘いのメールが来ているというのである。
「な、な、なんと‥‥!」
さらに、うちの娘なんかは、「町で偶然、あなたを見かけました。ぜひともうちの芸能プロダクションに入ってください」というメールをもらっているというのである。
なんと、すごい一家であろうか。
両親は3億円ずつもらえ、息子は芸能人から友だちになってくれと頼まれ、娘はスカウトされているらしい。
なにか、ロイヤルファミリーになったような気分が味わえる。
しかし、このへんまではよかったのであるが、だんだんややこしいことになってきたのである。
そこまでもちろん、メールを開けて読んだり、返信したりはまったくしていなかったのであるが、最近、「さおり」さんという人と「青山」という人から、よくメールが来るのである。
この青山という人は、大金持ちのお嬢様であるさおりさんの、どうも、付き人みたいな人で、「さおりさんの話を聞いてあげてください」などというメールなのである。
ま、これだけであれば、よくある迷惑メールなのであろうが、なにがややこしいかというと、私どもの研修生にまさにこのコンビがいるのである。
とくに、うちの研修生のさおりさんは、3月の東京ヒーリングワーク・アドバンスの担当研修生になっているので、ただでさえ通常のメールのやりとりが多い。
「ああ、ややこしい!」
ほんとうに、あの手この手なのである。
ほかにも同窓会のお知らせっぽいものや、昔の友だちを装って「返信ください」などといってくるものもあって、またややこしい。
まわりの人に話を聞くと、たいがい手口は似通っているらしい。
迷惑メールなどというと、私のイメージの中では出会い系サイトやエッチなサイトの勧誘が思い浮かぶのだが、なにゆえか、私にはまったく、その手の好意的なメールは届かないのである。
好意的
そう、こちらは待っているので、迷惑メールとはいえないであろう。
なかには、迷惑メールのあまりの多さにメールアドレスを変えたりする人もいると聞く。
私の場合、「放っておけば、そのうちなくなる」というアドバイスなどもいただいているが、ほんとうにたくさん来るので、ビックリしている今日このごろなのである。