国連事務総長が「科学諮問委員会」を設立!科学技術の進歩を持続可能な発展に活かすために | 榊原平のブログ―安城·愛知から世界に学ぶ Taira Sakakibara’s Blog : A Global Learner from Anjo and Aichi

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榊原平と申します。愛知県安城市出身・在住。常に学び、観察し、考え、人や社会に共感し、このブログでは自分が学んだことや考えたことや感じたことを書いています。このブログで安城・愛知から世界へつながり(Solidarity)を作りたいと思っています。

国連とは、世界の国々が協力して、平和や環境や健康などの大切なことを守るために作った組織です。

 

国連にはたくさんの部署がありますが、その中でも一番偉い人が国連事務総長という人です。国連事務総長は、今はアントニオ・グテーレスさんという人です。

 

グテーレスさんは、科学というものにとても興味があります。科学とは、自然や物や生き物などのことを調べたり、新しい発見や発明をしたりすることです。科学はとてもすごいことで、私たちの暮らしを便利にしたり、楽しくしたりします。例えば、電気や電話やインターネットやロケットなどは、科学のおかげでできたものです。

 

でも、科学には悪い面もあります。科学が進むと、人間が自然を壊したり、戦争をしたりすることもできるようになります。例えば、原子力や人工知能や遺伝子などは、科学のおかげでできたものですが、使い方によっては危険なこともあります。

 

そこで、グテーレスさんは、科学の良い面を活かして、悪い面を防ぐために、科学諮問委員会というものを作ることにしました。諮問委員会とは、アドバイスをする人たちの集まりです。

 

科学諮問委員会には、世界中の有名な科学者や国連の部署のトップの人たちが入っています。

 

その中には、チリツィ・マルワラさんという人もいます。マルワラさんは国連大学という大学の校長で、人工知能の専門家です。

 

 

科学諮問委員会の仕事は、グテーレスさんや国連のリーダーたちに対して、科学に関する最新の情報や知識を教えたり、アドバイスしたりすることです。

 

例えば、気候変動や食料安全保障や公衆衛生などの問題について、どんな科学的な解決策があるかや、どんなリスクがあるかなどを教えます。また、新しい科学技術が出てきたら、それがどんな影響を与えるかや、どう使うべきかなどを教えます。

 

科学諮問委員会は、グテーレスさんや国連のリーダーたちが決めることに影響を与えるだけでなく、私たち一般の人々にも役立ちます。科学諮問委員会が発表する報告書や分析などを読むことで、私たちは科学に関する正しい知識や理解を得ることができます。

 

また、科学諮問委員会が行う教育や能力開発などの活動に参加することで、私たちは科学に関するスキルや興味を高めることができます。

 

科学諮問委員会は、国連が科学技術の可能性を最大限に生かして、世界の問題を解決するための重要な一歩です。

 

科学諮問委員会が協力してくれるおかげで、国連は科学の最前線にある複雑な課題や機会に対応することができます。そして、私たちはすべての人にとって公平で豊かな未来への道を切り開くことができます。

科学諮問委員会とは?

科学諮問委員会とは、国連事務総長が2023年8月3日に発表した新しい組織です 。

 

この組織は、国連教育科学文化機関(UNESCO)が事務局を務めます。

 

科学諮問委員会の目的は、科学技術の進歩が持続可能な発展目標(SDGs)の達成にどのように支援できるか、またどのような倫理的・法的・政治的な問題を引き起こすかについて、多国間的な解決策を探ることです。

 

国連事務総長は、「科学技術の進歩は持続可能な発展目標の達成に支援できるが、同時に倫理的・法的・政治的な問題を引き起こすこともある。

 

私の科学諮問委員会は、国連をデータや証拠の信頼できる源泉として強化し、私や私の上級管理チームに助言するだろう」と述べました。

 

科学諮問委員会は、7人の優れた学者と国連システム内の主席科学者、国連事務総長の技術特使、国連大学(UNU)の学長から構成されます。

 

また、世界中の多様な科学機関と連携します。科学諮問委員会の主な目標は、科学技術と倫理・統治・持続可能な発展との交点における動向について、独立した洞察を提供することです。

 

彼らの協力的な努力によって、科学諮問委員会とそのネットワークは、国連のリーダーが科学技術の最新の進歩に対応し、それらを人々・地球・繁栄のために活用できるように支援します。

科学諮問委員会のメンバーは?

科学諮問委員会のメンバーは、以下の通りです 。

  • ヨシュア・ベンジオ教授(カナダ):ミラ・ケベックAI研究所の科学責任者、モントリオール大学教授。人工知能(AI)や深層学習の分野で世界的な権威であり、2018年にチューリング賞を受賞した。科学諮問委員会のメンバーとして、「国連事務総長が科学諮問委員会を設立したことは、国連リーダーが科学的方法の原則に不動の信念を持っていることを示している。私は国連事務総長が科学に基づく政策や意思決定のために声を上げることを支援することを楽しみにしている」と述べた。
  • イスマハネ・エルアファイ氏(モロッコ):食糧農業機関(FAO)の主席科学者。農業や食料安全保障、気候変動などの分野で豊富な経験を持ち、2020年にBBCが選ぶ「世界で最も影響力のある100人の女性」に選ばれた。科学諮問委員会のメンバーとして、「国連の政策やプログラムが最高水準の科学的証拠や専門知識に基づいていることを確保することで、科学諮問委員会は、急速な科学技術の進歩がもたらす複雑な道徳的・社会的・政治的なジレンマを航海する上で重要な役割を果たすだろう」と述べた。
  • フランソワーズ・バレ=シナシ教授(フランス):パリ大学教授、パスツール研究所名誉所長。分子生物学や遺伝子工学の分野で先駆的な研究を行い、1986年にロレアル-ユネスコ女性科学賞を受賞した。科学諮問委員会のメンバーとして、「科学技術は人類に多くの恩恵をもたらしてきたが、同時に多くの危機も引き起こしてきた。私たちは科学技術の発展と社会的責任との間にバランスを取る必要がある」と述べた。
  • フラビオ・カンポス教授(ブラジル):サンパウロ大学教授、ブラジル物理協会会長。物理学や宇宙論の分野で優れた業績を残し、2019年にブラジル物理賞を受賞した。科学諮問委員会のメンバーとして、「私たちは科学技術が
  • ヘレン・ハースト教授(南アフリカ):ケープタウン大学教授、南アフリカ科学アカデミー会長。数学や計算科学の分野で傑出した業績を残し、2018年に南アフリカ国家科学賞を受賞した。科学諮問委員会のメンバーとして、「科学技術は人類の未来を形づくる力を持っているが、その力をどのように使うかは私たち次第である。私たちは科学技術の発展と社会的正義との間に調和を見出す必要がある」と述べた。
  • ジェニファー・チャイ教授(シンガポール):シンガポール国立大学教授、シンガポール科学アカデミー会長。化学やナノテクノロジーの分野で革新的な研究を行い、2019年にシンガポール国家科学技術賞を受賞した。科学諮問委員会のメンバーとして、「科学技術は人類の生活や環境に大きな影響を与えているが、その影響は必ずしも正のものではない。私たちは科学技術の発展と倫理・統治・持続可能な発展との間に一貫性を持たせる必要がある」と述べた。
  • マリオ・モリーナ教授(メキシコ):カリフォルニア大学サンディエゴ校教授、メキシコ国立自治大学教授。大気化学やオゾン層の分野で画期的な研究を行い、1995年にノーベル化学賞を受賞した。科学諮問委員会のメンバーとして、「科学技術は人類に多くの可能性を開いてくれるが、同時に多くの責任も伴う。私たちは科学技術の発展と気候変動や生物多様性などの地球規模の課題との間に協調を築く必要がある」と述べた。
  • ジョアキム・フォン・ブラウン教授(ドイツ):ボン大学教授、国連食料安全保障委員会議長。農業経済や食料政策の分野で広範な知見を持ち、2020年に世界食料賞を受賞した。科学諮問委員会のメンバーとして、「科学技術は人類の飢餓や貧困を解決するために不可欠な役割を果たしているが、同時に人類の健康や福祉にも影響を与えている。私たちは科学技術の発展と人権や倫理との間に整合性を保つ必要がある」と述べた。

以上が科学諮問委員会のメンバーです 。

 

彼らはそれぞれ異なる分野や背景から来ていますが、共通して持っていることは、科学技術に対する情熱と専門性です。彼らは国連事務総長や国連のリーダーに対して、科学技術の最新の進歩やその利点やリスクについて、客観的で信頼できる助言を提供することでしょう。

科学諮問委員会の活動は?

科学諮問委員会は、2023年9月に正式に発足する予定です 。その後、定期的に会合を開き、国連事務総長や国連のリーダーに対して、科学技術に関する報告書や勧告書を提出することになっています 。また、科学諮問委員会は、国連の各機関やプログラムとも協力し、科学技術の分野での協調や交流を促進することも予定されています 。

科学諮問委員会が取り組む予定のテーマは、以下のようなものです 。

  • 気候変動や生物多様性の保全などの環境問題
  • 新型コロナウイルスやエボラウイルスなどの感染症対策
  • AIやバイオテクノロジーなどの新興技術の倫理的・社会的・政治的な影響
  • デジタル格差やサイバーセキュリティなどの情報社会の課題
  • 宇宙開発や海洋資源開発などの新たなフロンティアの探求

これらのテーマは、私たちが直面している現実的な問題や将来的な可能性を反映しています。科学技術はこれらの問題や可能性に対して、解決策や創造力を提供できるかもしれませんが、同時に倫理的・社会的・政治的な判断や責任を必要とします。科学諮問委員会は、これらの判断や責任を支えるために、科学的な知識や証拠を提供することでしょう。

科学諮問委員会の意義は?

科学諮問委員会の設立は、国連が科学技術に対する重視度を高めていることを示しています。国連は、1945年に設立されて以来、世界平和や人権、国際協力などの目的を掲げて活動してきました。

 

しかし、その活動は常に科学技術と密接に関わってきました。例えば、原子力や核兵器の管理、人口増加や食料安全保障の対策、気候変動や環境保護の取り組みなどは、すべて科学技術が関与している分野です。

 

また、国連は自らも科学技術を利用してきました。例えば、人工衛星やインターネットなどの通信技術を使って、世界中の情報やデータを収集・分析・共有したり、平和維持活動や人道支援活動においても科学技術を活用したりしてきました。

 

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