グレイシー柔術と柳生心眼流柔術は似ても似つかないように見える。

10年以上2つをやってきた僕の現在は同じにしか見えない。

目的に沿って技は変わり技術も変わる。

 

同じ柔術を名乗る以上根幹は同じ。

月日を重ねて根幹に近くなれば同じに見えるようになってくる。

 

柳生心眼流は上級武士というよりも実戦部隊用の柔術

ひとたび戦になれば最前線に出て戦う為の柔術

 

だからスポーツではない工夫がある。

 

合戦場の最前線

弓が飛交い槍が襲ってくる。

そして馬が駆け回る。

 

その最前線で駆け回りながら、馬上の相手を叩き落とす。

馬の足を切り裂き落とした相手を殺す。

これが足軽の役割

 

柳生心眼流には足軽専用の武術がある。

足軽は刀ではなく、陣鎌という農具よりも刃が長い鎌の武器を持つ。

陣鎌で馬の足を切り馬上の相手を引きずり落とし止めを刺す。

 

想像の範疇を超えた実戦が柳生心眼流の本来の姿。

馬が駆け回り兵隊がうごめく戦場では呼吸の乱れは死に直結する。

戦も終わりがある意味見えない。

 

だから柳生心眼流では呼吸を止めて型の稽古をする。

息が詰まるような時でも力を振り絞れるように。

 

ここからは想像の世界

戦の最中はアドレナリンが出まくっている。

例え刀で切ったとしてもすぐには倒れない。

 

命がかかれば相手は腕を切り落とそうが

最後の力を振り絞って向かってくる。

これが柳生心眼流の口伝

 

ところが戦の夜アドレナリンは徐々に消えてゆく。

そして翌日も戦は始まる。

 

心身ともに疲弊した状態

その状態で戦は続く

 

その時にいかに心身を平静に近くするのか。

それが武術の本来の突出した技術なのかもしれない。

ただ怖がってもしょうがない。

 

日本人は創意工夫に本来長けている民族。

日常で戦があった時代に大きな問題をそのまま放置はしない。

 

息が乱れる。

呼吸が浅くなりドキドキして集中力が切れる。

その状態を回避する技術が武術の根幹なのかもしれない。

 

柳生心眼流は息を止めて技を磨く。

戦では息が詰まりそうになる。

 

暗殺も戦の時代にばあった。

不意に襲ってこられると息が詰まり止まりそうにもなる。

それでは充分な動きは出来ない。

 

だから息が出来ない状態で稽古する。

そう言った口伝を聞かせて頂いた。

 

息が詰まる状態は精神力で簡単に回避は出来ない。

ところが息が詰まった状態から体を全力で動かすことが出来ると

すっと何かが解けるように体が心も自由になる。

 

柳生心眼流の稽古ではこれを気合をかけるという。

気合をかける形や動きや呼吸の方法が本当にある。

 

気合とは概念ではなく実用の技術。

 

この稽古はなかなか難しい。

 

形を変えて簡単にしても根幹を崩さなければ

その人にとって最善の方法に変えることが出来る。

 

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