えーと、本来であれば昨年の12月に仕上げたかった、振り返りドラマレビュー『いだてん』でございます。まさか真夏まで貯めこむとは・・・(苦笑)
そして『いだてん』を視聴していた頃、翌年のオリンピックがまさか延期になるとは思いもよらないのでありました。いやはや人生、というより世界は何が起きるか判りませんね。でも上手く乗り越えて、あの時はこうだったよね~と明るく言えるようでありたいと思います。
それでは2019年大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』のリュシータレビューをお楽しみください( ̄▽ ̄)
まだ「おんな城主直虎」放映中だった頃、再来年はオリンピックの話のドラマと聞いて、私の最初の印象はつまんなそう~だったのを覚えています(皆さんホントにごめんなさい)私の頭の中では近代のドキュメンタリー紹介番組が勝手にイメージされていました。また昔の戦中戦後の大河ドラマが「山河燃ゆ」と「いのち」という、わりと骨太シリアスものだったので、今回もそっち系かしら思っていた節があります。
そしたらとんでもない!!
思いっきり裏切られました!(良い意味で)
とにかくこのドラマの何がイイって小気味いいそのテンポです。細かい洒落も巧く効いていて、つまらない回が一度もありませんでした。あ、私この作品の沼に落ちた(^▽^;)な、と確信したのは、天狗倶楽部の三島弥彦坊ちゃまによる、ライフルのスタート合図でした。車でスタート地点到着から間髪入れず、銃を放ったその姿にわたくしフォーリンラブ(笑)ここから「いだてん」との楽しい付き合いが始まったのです。
とにかく出演者の方々が皆さんアクが強くて面白い!(←個性的とも言う)
金栗兄弟は当然めちゃめちゃ面白い。特にお兄ちゃん実次は最高です。八重から転生したスヤさんは綺麗でやっぱり男勝りだし、そのスヤさんにGと呼ばれる男、美川くんの半端ないしたたかさは憎むに憎めず(笑)実母のシエさんも、養母の幾重さんも素敵でした。スヤさんの最初の夫、重行さんも丁寧に描写されていて、とても好印象でした。
↑美川くん、悪い奴なのになぜか憎めない。ある意味すごい能力(笑)
10億借金王?のジゴロー先生は、死後もトメクレ(キャストクレジットの最後、つまりドラマのぬし?)を手放さないし(^▽^;)イケメンの大森兵蔵先生は妻に対する盲目的?献身的な愛の言葉が毎回涙を誘うし(←バカップルというものです)他の先生方、可児先生、永井先生、二階堂先生のキャラクターなども忘れられません。
★大森兵蔵の妻、大森安仁子については、よかったら過去記事ブログ↓をご覧くださいませ~(^O^)/
さて、大好きな三島家の皆さん、ホントに魅力的でした。
ストックホルム出立の時のお母さまの愛は最高でしたね❤
私が大好きな鉄道の旅では、4人の個性(金栗四三・三島弥彦・大森夫妻)がさらに輝きを増して大笑いさせていただきました(≧▽≦)でも大森夫妻には実は秘密があったのですが、それを隠してでの笑顔なので、凛として素敵だな~と思いましたね。
↑食堂車大好き~椅子も好き~(結構私は鉄子です)
食堂列車がほとんど揺れていなかったのを覚えています(笑)
↑この二人のコンビ、描写は少ないのですが私は大好きでした。
日本にいるときからもっと接触してほしかったですね。
外国のキャストさんもたくさんいらっしゃった、豪華なストックホルム編(私はオリンピック描写はストックホルムのが一番好きかも)が終了して、金栗四三編も後半に入りました。教師となった四三の前に立ちはだかる、女子スポーツの壁。
様々な偏見を克服していかなくてはいけません。物事の最初ってたいていそうですよね。なかなか受け入れられなくて、先人がものすごーく苦労して勝ち得ていく。でも多分一番幸せなのはそれを享受する後代の人ではなくて、道を切り開いたその人自身なのだと私は思います。
↑忘れちゃいけない、富江パパ。良いキャラでした。
娘のスポーツには反対だけれど、決して偏見だけの塊ではない、生徒の富江の父親は後の有事において、四三を助けてくれます。人は多角的な視野があること、だからこそ一面だけで判断するのは思慮に欠けているということをドラマから教わった気がします。
この浅草開業医のお父さんは「村田」大作さん。後の伏線なんですよ。と言ってすぐネタバレしますけど(笑)最終回で五りんの恋人、知恵ちゃんが出産する病院が浅草の「村田病院」なのです。
五りんは増野シマの孫です。シマは東京府立第二高等女学校の教師で、村田富江はこの学校の生徒でした。というつながりで、私はじ~~んと胸にくるものがありました。結構そういうつながりって現実社会でもあるのでしょうね。
増野シマのことについては、過去ブログ記事↓で少し触れています。良かったら見てね~(^O^)/
さて物語は後半、田畑政治編に突入です。
初回から、さながら暴走列車状態!!
常時ハイテンションで話が進みましたね。
阿部サダヲさんの演技にひたすら脱帽でした。
↑なので写真くらいは静かなものを・・( ̄▽ ̄)
田畑政治in阿部サダヲのキャラクターが輝いていたのは、その分脇を固める俳優さんの力も大きかったからでしょう。特に私には印象深かった3名がこちら↓↓
朝日新聞社の上司:緒方竹虎(リリー・フランキーさん)
もちろんね、高橋是清のDO迫力~とか、杉村陽太郎の仁義なき戦い(?!)も面白かったんですよ(端役の吹越係員もすごかった)とはいえ、私の中では上の3名が助演男優賞です(^-^)
特に田畑の新聞社入社面接のシーンでは、フランキーさんの演技が冴えていて、良い掛け合い(漫才?)になっていたと思います。塚本さんの伯爵もホントに品がありましたね。後述しますが、ベルリンオリンピックの直後、自殺したユダヤ人青年通訳のことに言及するシーンが彼の本質の優しさを表していて、長生きして欲しかったですね。マダムキラーは・・・同局のあの「オモえもん」がね~とか「真田丸」の徳川二代目のボンボンがね~すごい変身を遂げられたと思いました。でも根本的にはお笑い系ですかね(^▽^;)
『いだてん』全編を通して一番泣いたのは「人見絹江」の回でしょうか。やはり道を創る先駆者はすごい!に尽きます。
とはいえ、彼女は短命でしたし決して満足のいく人生ではなかったでしょう。もっと早くから彼女の良さに気づいてケアしてあげられる人がいたら・・・と思ってなりません。
↑菅原小春さんの人選も素晴らしかったです(≧▽≦)
世界が暗い方向に進む中で、ミュージカル要素的なロス五輪は軽快な流れでしたが(鮮やかな黄色バスが良かったです)どうしても戦時中ベルリンにより注目してしまいます。もちろんロスの時も人種差別問題はありました(現代でもなくなっていませんが)街の人たちを東京に招待できたらどんなに良かったでしょうね。かなわなくて残念でした。いつか世界の人たちが貧富の差なく、人種差別もなく、自由に競技を楽しみ、観られる日が来ますように(^-^)
現代では嫌悪の対象となっている総統を役柄とはいえ、演じてくださるのはありがたいですね。とても雰囲気が出ていました。戦禍迫る時期のオリンピックは、スタジアムは一見煌びやかでも、見えない部分で末恐ろしいものがあったでしょう。
前畑選手に敗れても、彼女に優しい言葉をかける地元ドイツのゲネンゲル選手。背中を向けていた前畑選手には見えませんでしたが、ゲネンゲル選手の目には客席の総統や幹部たちの姿がよく見えていたシーンが印象的でした。
ちなみに撮影に使用したプールはロス五輪のと同じだそうです(^-^)
架空ですが、ストックホルムの通訳ダニエル、ベルリンの通訳のヤーコブ、ジャカルタの通訳のアレン、通訳者は時代は違っても皆、素敵な人たちでした。もし彼らが一堂に集まりあえたら、きっと良い友情が生まれていたのではないかな~と思います。
そして、そして真打登場!我らが古今亭志ん生です。某Yahoo!レビューでは否定されがちな噺家パートですが、私はかなり好きでした。脇を固めた橘屋円喬も三遊亭圓生も本当に上手で、さすが!と思って見ていました。酒飲み志ん生が家族で内職しつつ協力し合って生きていく姿がホント人間らしくて、最終的には奥方第一なのですよね~(笑)
噺家のシーンでは特に震災後のボロボロの高座での話が良かったです。もちろん満州での富久は「絶品!」でしたよ(^_-)-☆
『いだてん』の制作に関わってくださったすべての方に感謝します。ありがとうございました。不幸はあっても、もっと大切な笑いを届ける素敵な作品でした。後年もっと評価される作品になると思います。リアルタイムで見られて良かったです(^O^)/
あ。最後になって気づきましたが、肝心のトメクレさんの画像が1枚も出てない!・・・ま、いいか(笑)
え?ダメ???
・・ではこちらを↓↓↓
↑ああ~!肖像画で!すみませんm(__)m