ハロウィンなどというイベントは、私が日本にいた頃には、そんなに大事ではなかったと記憶している・・・

 

ここフィリピンでも、ハロウィンというよりも、「お盆」というような捉え方で、一族みんなで、お墓参りをして、中にはその墓の前でどんちゃん騒ぎをする、という謎のイベントであったが、そこは元々、お祭り騒ぎ好きな民族・・・

 

スーパーマーケットなどのスタッフが、仮装をして勝手に(?)盛り上がっている光景も、ここ数年ですっかり定着しているように感じる。

 

 

 

嫁に来たばかりのころには、墓の場所をしっかり覚えていない夫に連れられ、身内のお墓を探しグルグルと歩き回ったり、ご馳走を家で作り、家の前にろうそくを灯し、ご先祖様の霊をお迎えする儀式なんていうのもやったんだよな、真面目に。

 

 

 

既に、外界からはすっかり遮断されているヒキニート生活の私であるが、そうか、お盆なんだよな、と、思い立つ。

 

 

 

夫や子供たちも来日し、ママも亡くなってしまい、ほぼ近所付き合いなどはしていないのだけど、こういうイベントの時に、心遣いをしておくべきではないのか?

 

何かあった時には、助けてもらわなければ、異国の地で安心して生きていけないのだから。

 

 

 

と、ママの面倒などをよく見てもらっていた叔母さんになにがしか渡し、エエカッコをしようと考えた。

 

 

叔母さん宅に行って、なんて考えていたんだけど、なんかめんどくさくなってしまい、数日が経ってしまった。

 

 

別にめんどくさくなるぐらいの距離でもないんだけど、すっかり出不精になってしまっている今日この頃・・・

 

 

別に、私がわざわざ出向かなくてもよくね?

 

と、メッセンジャーで叔母さんを呼びつけることにした。

 

 

 

「明日、何時でもいいから、ちょっとウチに来てくれない?」

 

「OK!」

 

 

何時でもいい、とは言ったけど、真面目な叔母さんなので、朝の早い時間に来るんだと勝手に思い込んでいたが、なかなか来ない。

 

 

ちょうど、猫のトイレ砂をフェイスブックのマーケットプレイスで購入し、それが届いたと電話を受け、道路まで出て行ったら・・・

 

 

叔母さんが、いた・・・

 

 

 

偶然、というか、入るのを躊躇していたような感じで・・・

 

 

 

とりあえず、二人してウチに来たんだけど・・・

 

 

どうしても、隣の叔父さんの家のテラスを通らなくてはならなんだけど、ちょうど、その時、隣の叔父さんと叔母さんが、テラスにいたわけ。

 

 

まぁ、隣の家の人たちは、このテラスで生活しているのでは?というくらい、いつもここにいるんだけどさ。

 

 

でも二人で通り過ぎる際、微妙な空気を感じたんだよね。

 

 

 

叔母さんを家の中に入れると、

 

「よかったよ、出てきてくれて。なんか入りずらかったんだよね~!」

 

と、叔母さん。

 

 

 

この叔母さんと、隣の叔父さんはきょうだいである。

 

しかし、何度かこのブログでもネタにしているけど、仲はよくない。

 

 

というか、隣の叔父さんが嫌われている。

 

まぁ、何かとイチャモンをつけてきて、一方的にギャーギャーと捲し立てるので、嫌われてもしょうがないと思う・・・

 

 

 

「もうね、付き合いたくないの。」

 

 

そういえば、この間まで、アメリカの叔母さん夫婦が、来てたっけ。

 

叔父さんの家の隣の建てた家に二週間ほど滞在していたけど、この叔母さんはこのきょうだいの一番下の妹で、アメリカの叔母さんの不在宅の管理を任されているし、いろいろとあるのだろう。

 

 

「ふうん。」

 

 

何があったのか?と聞けば、長くなりそうな感じだったので、流しておこう。

 

実際、興味もないし。

 

 

この叔母さんも、真面目でいい人なんだけど、話をしだすと、なかなかに止まらず、長くなる。

 

 

まったく忙しい身ではないが、こういう話を聞かされるのも疲れるので、できれば遠慮したいので、スルースキルを発動したわけ。

 

で、さっさと、お盆だから、これでママの墓参りをした後に、みんなでご馳走でも食べて、と、なにがしを渡し、用件を済ませる。

 

「あ、ウチには、何もいらないから。」

 

と、忘れず付け加える。

 

 

 

こうはっきり言わないと、ご馳走を持って来てくれちゃうから。

 

 

いや、気持ちは有難いんだけど、特にこのお盆の時期に、欠かせない「ビコ」なる、ココナッツ風味のあんこなしのおはぎのような食べ物は苦手なのよ・・・

 

 

 

で、用も済んだし?と、割とあからさまに、帰って、という雰囲気を出し、叔母さんもソファから腰を上げたのだったが・・・

 

 

「まだいるよね?お兄さん・・・」

 

と、顔を曇らせる。

 

 

 

うん、まだいるね。

 

ってか、来てから数分しか経ってないしね。

 

 

 

「門の外まで送って行こうか?」

 

「え?いいの?」

 

「いいよ、別に。」

 

 

 

何がそんなに気まずいのか、ちょっとだけ気になったけど、それを聞けば、長くなる。

 

 

数分前と変わらず、テラスにいた叔父さんと叔母さんの前を、二人で通り過ぎる・・・

 

 

うん、やっぱ、空気がヘン・・・

 

 

 

 

叔母さんを門の外まで送り、すぐに戻って来た私に、叔父さんが、

 

「あいつ、何しに来たの?鍵を持っていたけど、何の鍵?」

 

「へ?」

 

 

叔父さんの家のテラスを通らなくては外に出られないので、私もここは度々通るけど、用がなければ挨拶もしないくらいなのに、突然、話しかけられて驚いた。

 

 

「え?鍵?」

 

 

確かに、叔母さん、鍵を持っていた。

 

私が渡したお金は、誰かさんに見られるとまたあることないこと言われると、家を出る前に、しっかりポケットに入れていたけど、うん、確かに、何かの鍵の束みたいなのは手に持っていたかも・・・

 

 

「知らない。」

 

と、さっさと立ち去る。

 

 

 

後ろからまだ叔父さんがブツブツと言ってきたけど、ここで足を止めてはいけない、と、そのまま聞こえないフリで通りすぎ、家に入る。

 

 

 

え?え?

 

 

何?

 

 

 

チェック厳しいな。

 

 

 

 

 

何があったのか、俄然、気になってきたけど、これはもう叔母さんを迂闊に家に呼びつけてはいけない、と、思った。

 

 

次回からは、私が出向くことにしよう・・・

 

 

(忘れてなければ。)