フィリピンでは、バイクの登録更新というのが、年に一度ある。
ナンバープレートの末尾の番号の月に更新をしなければならない、という話なのだが・・・
そのナンバープレートも、以前、ネタにしたけど、コロナ渦に購入したバイクだから、すでに4年は経っているはずだけど、未だに(仮)だしね・・・
で、その(仮)のナンバープレートの末尾の番号が、「6」なので、てっきり6月に「更新」をするのだと思っていて、買った翌年の6月に更新に行ったら・・・
購入したのは4月で、それに伴い強制保険の期限も4月で切れていたんだけど、まぁ、来年からは気を付けてね、みたいな感じで何とかなっていた・・・
らしい。
と、いうのも。
この更新手続き、今まで、よくわからないから、隣の叔父さんにやってもらっていた。
「陸運局に知り合いがいるから~」
みたいなノリで、金を渡せば、チャッチャとやってくれていた。
一年なんてのは、ヒキニートにとっては、ホントにあっという間でさ・・・
ついこの間、この手続きをしたと思っていたけど、もう一年が経っていた。
ああ、また隣の叔父さんに頼まなくちゃなぁ・・・
なんて思っていたんだけどさ。
まぁ、以前は、仕事もしていて、平日、のん気に陸運局なんぞに行っている時間もなかったわけよ。
ましてや、あの「陸運局」だ。
いつ行っても謎に人だかりのできていて、一日で用事が済まないあの「陸運局」よ?
(ま、フィリピンの役所は、どこも同じような感じなのだけどね。)
しかし、今やヒキニートで、時間はたくさんあるし。
自分で行ってみようかな、なんて思ってしまった。
とりあえず、ネットで調べてみたところ・・・
今やAIで、結構詳しく方法が出てくるんだけどさ・・・
読んでるだけで、めんどくさっ!ってなる・・・
何かオンラインでもできるみたいだけど・・・
イミグレ関係の手続きも、オンラインでできる!みたいなこと言われているけど、蓋を開ければ、結局はイミグレに出向かなくてはならん、とかそういうオチもあるし・・・
調べている最中に、たまたま見つけた YOU TUBE 動画があってさ。
ふんふん、と観てたんだけど、最後の最後に、陸運局周辺には、その手の手続きを代行していくれるところがたくさんありますよ~みたいなこと言っててさ。
そういえば、聞いたことある。
いわゆる「フィクサー」というやつ?
日本人の知り合いにも、聞いたことがある。
確かになにがしか取られるけど、あの無駄に長時間待たされることはないし、便利であると・・・
なるほど!その手でいこう!
と、早速、行ってみた。
平日の午前中、市役所近くの陸運局にバイクで乗り付けると、何かワラワラと人が寄ってくる。
「何の手続き?」
と、次から次へと声をかけてくる。
この人たちってさ・・・
「取次」なんだと思う。
こうやって片っ端から声をかけ、代行屋に連れて行くだけで、なにがしかを手に入れる。
まぁ、そういうシノギがあっても別に構わないけど、何となく無視しちゃう癖がついちゃっていて、結局、どん詰まりの排気ガスの検査場まで来てしまった・・・
動画では、ちゃんとした事務所みたいなのがあったんだけど、ここらへんじゃなかったのかな?
と、思いつつ、とりあえず、バイクを停めて、目の前の屋台みたいなコピー屋に、
「バイクの登録更新、やってくれるとこってどこ?」
と、聞いてみた。
すると、オッサン、
「なんて店?」
と、聞くから、
「別にどこでもいいけど。」
と、言えば、
「ここでもやるぜ!」
と、言う。
動画で観たのは、ちゃんとしたガラス張りのいかにも事務所~って感じのところだったんだけど、ここは、マジで屋台って感じのところでさ・・・
「大丈夫かいな?」
とは思ったけど、何しろ、排気ガス検査場の真ん前だったし、オッサンも慣れた感じだったので、お願いすることにした。
「バイクの登録更新」というが、日本人の間では、「車検」という認識を持っている人も多く、排ガス検査は必須だと思っていたんだけど、オッサンの話では、必要ないと・・・
実際、私の観た動画では、排ガス検査を受けて~と言っていたんだけどな?
私の持って行ったバイクを購入した時の書類と、去年の登録更新書類と強制保険書類をコピーし、金を払ったら、
「今日の夕方、取りに来て!」
と、言われたが、夕方、取りに来て、まだできていない、なんてことも十分に考えられる。
なんせフィリピンだから。
なので、
「えっと?明日でもいい?」
と、返せば、
「いいよ!」
と・・・
あまりにあっさりしすぎており、おまけに何の受領書みたいなもんもくれず、不安しかないんだけど、妙に自信満々のオッサンに押され、そのまま帰って来た。
所要時間5分にも満たない・・・
私的には、排ガス検査をしなかったことが、最後まで不安だった。
だって、隣の叔父さんに頼んでいた時に、わざわざバイクを持って行ってたからさ・・・
翌日、半信半疑で頼んだ屋台に戻ってみたら、バイクを停める間もなく、屋台の中から若い兄さんが出てきて、
「ほら、できているよ!」
と、書類一式を渡してくれた。
一応、その場で確認をしたが、まちがいなく、来年の4月まで有効な登録更新がされ、強制保険も加入されていた。
所要時間2分程度・・・
「これで終わり?」
「完璧!」
お兄さん、笑顔で、ぐっと親指を上げる。
こんな簡単なことだったんだ・・・?
家に帰って、書類をじっくりと見たけど、大丈夫そうだ。
となるとだね・・・
去年までのは何だったんだと思わずにはいられない。
隣の叔父さんには、3500ペソ渡していた。
書類上、更新手続き代として、300ペソ弱で、強制保険が650ペソ。
屋台に払ったお金は、2350ペソ・・・
もしかして、叔父さん、陸運局の知り合いに頼んでいたわけじゃなく、こういう代行屋に頼んでいたのか・・・
なら、なぜに毎年、わざわざバイクを持って行った?
しかも、1000ペソ以上も懐に入れていたわけでしょ・・・?
まぁ、いいけどさ。
しかし、金さえ払えば、こんなに簡単なことだったんだな。
確かに庶民にしてみれば、倍以上かかるけど、謎に待たされヨレヨレになることを考えれば、私は絶対、金で解決するよ。
来年も、この屋台に頼むことにしよう。
ところで、だ。
真っ黒な煙を吐きながら走っている車両を、よく見かけるのだが、その度に、「車検」の度に、排ガス検査が必須のはずなのに、なぜにああいうのが天下の公道を走っているのか不思議でならなかったが・・・
そういうことだったのか、と、今更ながら、妙に納得をした私であった・・・