フィリピン人は陽気な人が多い・・・ように思う。

 

よくいえばフレンドリー・・・

 

昔はそれも楽しかったけど、長年いると、それも疲れるっていうかさ・・・

 

 

距離感のおかしい人が割と多くて、そんなに親しくもないのに、借金を申し込まれたりして、

 

「え?これってはっきり断っていいんだよね?でも、可哀そうだし?断って冷たい人と思われるのもなんだか嫌だな。」

 

なんて、一人モヤモヤすることも多々あった。

 

 

そんな経験を何度も繰り返し、きっぱり断るということもできるようになり、別に相手に何と思われようとどうということもなくなった。

 

それ以前に、仲良くなる以前に、そういう雰囲気を断ち切ることも覚えた。

 

 

要は、仲良くならないようにするってこと。

 

こういうのは初めが肝心でね。

 

ま、だいたい、私が日本人で、現地の言葉を理解するってことがわかると、いろいろと聞いてくるよね。

 

「何年いるの?」

 

「何で現地語がわかるの?」

 

「結婚はしてるの?」

 

「子供は?」

 

 

完全な個人情報を、当たり前のように聞いてきて、息子が二人だということがわかると、

 

「あなたの旦那さんは、女の子の作り方、知らないんだね。」

 

と、余計なお世話なセリフまでが返ってくるのもお決まりである。

 

 

要は会話が弾むから、相手も、

 

「好感触!」

 

と、思って、更にグイグイくるわけで・・・

 

 

あからさまに塩対応をしていると、会話も弾まず、それ以上に仲良くなることもないのだ。

 

 

 

そんなわけで、コロナ渦以降は、ヒキニート状態だったわけで、お猫様としか話をしない日の方が多い生活を送っているのだったが・・・

 

 

先日、知り合いが日本からきて、空港まで迎えに行った。

 

いつもは、夫のいとこ所有のバンを借りるのだが、別の仕事が入っていたようで、代わりのバンを使った。

 

どうやらこのバンも、夫のいとこが所有しているようで、運転手を雇っているようだ。

 

 

以前にも、何度か、いとこの代わりにやって来たことがあったが、特に話をするわけでもなかったのだが・・・

 

この日、空港に迎えに行くときに、運ちゃんが話しかけてきた。

 

「ビサヤ語(現地語)、話せるんだ。」

 

まぁ、久しぶりだったし、これからも絡みが多少あるんだろうから、と、レベル3くらいの塩対応をしていたのだが・・・

 

 

運ちゃん、いきなり、身の上話を始めた。

 

元々、セブ島南部の田舎で暮らしていたが、仕事を求めてこちらにきて、運転手として働いている。

 

田舎には、奥さんと子供が二人いる。

 

「数年前に、子供三人を同時に亡くした。」

 

と、いきなり言い出すから、驚く。

 

 

事故だったらしいが、私は、若そうなのに、子供が5人もいたということに驚き、思わず、

 

「え?あなた、今、いくつ?」

 

と、聞き返してしまった。

 

 

それまで、ほぼ一方的に、運ちゃんが語っていたのだが、思わず、私が、年齢を聞いてしまったことで、手応え(?)を感じてしまったのか、20歳で結婚し、いくつの時に、子供が生まれて、とご丁寧に子供5人が生まれた時の自身の年齢を教えてくれ、現在、38歳であることを語ってくれた。

 

 

「へ、へぇ。」

 

子供を3人も同時に亡くしたことには、同情したが、

 

「たいへんだったね。」

 

と、しか言えない・・・

 

 

すると、何を思ったのか、運転中にも関わらず、自分のスマホを操作し、写真を見せてくれたのだが・・・

 

 

並んでいる花がたくさん飾られている三つのお墓の前で、両手を広げて笑っている自身の写真・・・

 

 

「これが、三人の子供のお墓の写真・・・」

 

「・・・・・へ、へぇ?」

 

 

だから、どう反応しろと?

 

ってか、どういう状況なのか知らんけど、子供の墓の前で写真を撮るか?

 

それも笑顔で?

 

 

いろいろと突っ込みどころ満載の話で、私は終始、

 

「へ、へぇ。」

 

としか言えなかった・・・

 

 

 

 

この運ちゃんには、塩対応レベル4にあげておこう・・・