フィリピンの正式な葬式、というのは、実はよく知らないが、私が今までに経験したものの多くは、何日かの通夜(大盛り上がりの賭け事あり)の後、埋葬する。
この埋葬するお墓まで、一族郎党が行列をなし、ついていく。
先頭には、誘導する人がいて、次いで霊柩車(棺がそのまま入る大きなバン?)で、その後ろをゾロゾロと人が歩いていくのである。
その行列に、通りすがりの人がコインを投げることもよく見かける。
とりあえず参列者が拾うが、その後、どうなるのかは知らない。
香典?なのか?
まぁ、所詮はコインだから、大した金額にはならないのだろうけど。
先日、買い物に行こうと思い、バイクを駐車している洗車場から出ようとしたら、ちょうど葬送の行列に出くわした。
あせって事故にでもなったらたいへん、と、私は、いつも慎重な運転を心がけているので、タイミング的には、十分に道路に出られたが、待ってしまったので、まんまと行列にハマってしまった。
いつまで経っても途切れない行列・・・
しかも、ちょうど目の前の国道は、工事中・・・
水道管を埋め換えるために掘り起こしたはいいが、マクタン島で行われる大きなトライアスロン大会に間に合わせようと、突貫で工事をしたのだが、それが大した時間も経っていないのに、見るも無残なほど、あちこち穴だらけとなっていたのを、ようやく直す気になり、道路の約3/1程度が、また掘り返されているのだ。
ぎりぎり車が両方向に行き来ができるほどになっているが、大きなトラックや、突然、客を乗り降りさせる小型のバスやモルティカブが止まれば、渋滞を起こす。
そんな中の行列で、当然、後ろについている関係のない人たちは、追い越すこともできずに、ジリジリとついていくしかない・・・
私は、適当なところで、我慢ができず、行列の中、道路に出てしまった。
この行列は、徒歩の人はおらず、バイクや、自家用車、大きなトラックの荷台に便乗していた。
先頭集団は、バイクだったので、私も、行列の一員のようになってしまった。
追い越したくても、工事の影響で、道幅が狭くなっているし、対向車も途切れない。
仕方がないので、私もジリジリと時速20キロくらいでついていく・・・
フィリピンでの運転あるあるなんだけどさ。
前が詰まっているのに、先へ先へ行こうとするヤツ・・・
いや、これ、百歩譲って、単独で走っているならまだ、そういうヤツ、いるよね、って、思うんだけどさ・・・
これ、同じ故人を見送る行列なわけで、目的地は同じ霊園なわけじゃん?
先頭のバイク集団の後をついて行っている私だったんだけど、十分に前の車両と距離を取っているとさ、(っていっても、3メートルくらいよ?)その間に無理やり参列者を山ほど乗せたトラックが割り込んでくるわけ。
まぁ、こういう運転、フィリピンでは、フツウなわけで、たぶんだけど?運転手に悪意はないんだよ。
とにかく空いた空間に、突っ込みたいだけ。
フィリピンの全車両の運転手が、もう少し、先のことを想像する能力があれば、少しは、渋滞はマシになる、と個人的に思っている。
ああ、もう、イライラせずに、黙ってこの行列について行こう・・・
時間ならたくさんあるヒキニートだし?
と、諦め、時速10キロ~20キロくらいで葬列に続く・・・
結果、結構な距離をノロノロ運転でついていくことになってしまった。
せっかちな関係のないバイクは、ちょっとのタイミングを見計らい、対向車線に飛び出し、どんどん追い抜いていく中、私はひたすら行列についていく・・・
あれ?なんか、私、完全に故人を偲ぶ感じになってるじゃん?
全く知らないおじいさんだったけど・・・
てなわけで、いつもより倍の時間をかけて目的地まで行き、無事に買い物を済ませて帰って来た。
そういえばさ。
昔、知り合いの日本人が亡くなった時に、通訳でお手伝いをしたんだけど、この行列の先頭を仕切る警察(?)関係者のあっせんもオプションにあったなぁ・・・
ま、その方は、葬式後、遺骨にしたので、墓に入るわけじゃなかったから、頼まなかったけどね。
去年、ママが亡くなった時は、どうだったんだろう・・・?
ほら、私、腹を壊し、葬式は参列しなかったから知らんけど、たぶん、ゾロゾロと行列で、私の買った霊園に行ったんだろう・・・
フィリピンでは、葬列に限らず、バランガイ(区)のバスケット大会や祭り、ミスコンなど、いきなりの行列(しかも割と頻繁に!)に出会うこともあり、そうなると渋滞は必須・・・
移動は、時間に余裕を持って行いましょう。