我が家のペットといえば、いわずもがな、3匹のお猫様たち。

 

ペットというか・・・

 

家族、というか・・・

 

ご主人様?

 

 

多くの猫飼いのように、すでに私は彼らの下僕となり、日夜、彼ら中心の生活を送っている。

 

まぁ、お猫様は、犬とはちがい、あまり手がかからず、私は彼らが、

 

「腹が減った!」

 

と、言えば、嬉々としてカリカリ(餌)を差し上げるし、トイレも頻繁にきれいにするし、

 

「撫でろ!」

 

と、すり寄ってくれば、撫でで差し上げるだけのことなんだけどね・・・

 

 

 

 

そんな我が家には、他にも生き物が住んでいる。

 

 

まぁ、これは、別に私が意図的に飼っているわけではないのだけど。

 

 

 

それは、ヤモリさんたち。

 

 

こちらで、ティキと呼ばれるヤモリは、フツウに壁などに常に複数いるような状態で、もはや意識すらしない。

 

蚊やハエなどを食べてくれるらしいし、動きもすばやく、生活に邪魔になることは一切ないので、まったく気にしていないが、たまに大掃除などをすると、彼らの卵の殻が見つかったりするので、確かに我が家のどこかを住処としているのだろう。

 

 

同じヤモリの仲間でも、トッケイと呼ばれるものもいる。

 

「トッケイ!トッケイ!」

 

と、驚くほど大きな鳴き声を発し、ティキに比べ、体も大きく、ヤモリというよりトカゲという感じ。

 

(ヤモリもトカゲなんだけど・・・)

 

 

鳴き声は時々、聞こえるが、姿はあまり見せないので、これまたあまり気にしていなかった。

 

 

が。

 

 

ある時、玄関ドアの近くで、明らかにティキとは風貌のちがうヤモリを見つけた。

 

体は私の普段見かけるティキより小さいのだが、斑点模様があり、顔つきもなんだか恐ろし気・・・

 

 

これは、もしかして、トッケイの赤ちゃん・・・?

 

 

昔、このブログでも話題にしたような気がするけど、普段は姿を見せないトッケイを家の外壁に張り付いているのを見つけたことがある。

 

写真にも収めた記憶があるが、30㎝くらいあって、その大きさと、ピンクの水玉がついているボディに引いたよね。

 

 

トッケイの足の吸盤は協力で、顔に張り付かれたら、そうそう剥がれない、などと、夫やママに脅かされ(?)、恐怖におののいたんだっけ。

 

 

ま、まぁ、これはまだ赤ちゃんだし・・・?

 

 

と、その時は、見ないふりをしていた。

 

 

 

しばらくして、赤ちゃんトッケイは、リビングの大きな窓周辺で見かけることが多くなった。

 

 

窓の掃除の際には、その場から離れるのだが、いつの間にかまた元の場所にいる、という感じ・・・

 

 

動きが緩慢なようで、ティキのようにそそくさと逃げ、姿を隠す、というようなことはせず、窓ふき用のはたきが当たってしまった時でも、その場を逃げない根性のあるヤツだ。

 

 

数カ月に一度、窓にかけられているレースのカーテンを洗濯屋に出すのだが、そのタイミングで、ようやくその赤ちゃんトッケイの姿がなくなった。

 

 

と、思っていたのだが・・・

 

 

数日後、トイレで見つけた。

 

 

小さな体でここまで移動してきたのか、と、感動すらした。

 

 

まぁ、そのうち、またどっかにいくでしょ。

 

と、放っておいたのだが・・・

 

 

 

動かない。

 

 

ティキは、フツウに家にいるけど、とりあえず隠れているようなので、いつも同じ場所にいることはあまりない。

 

 

だが、この赤ちゃんトッケイは、あまり動かない。

 

この固体がそうなのか、トッケイ全部がそういう生態なのかは不明だけど。

 

 

とにかく近寄っても逃げず、トイレに入るといつも同じ場所に張り付いているので、気になってしまう。

 

 

ティキは素早いわりにドンくさいようで、たまに私が閉めたドアに挟まってお亡くなりになっているのを見かけるため、ドアの開閉にも気を遣う。

 

 

トイレに入るたびに、声をかけちゃったりするようになったりして・・・

 

 

 

すっかり愛着がわいてしまっていた。

 

 

けど。

 

 

しばらくすると、何か体も大きくなっているような気がするし・・・

 

このまま以前、外壁に張り付いていたくらいに成長されても困る・・・

 

 

と、思っていたら、いつの間にかトイレを出て、今度は台所周辺に張り付いていた。

 

 

 

で、ある朝、とうとう流しに占拠していた。

 

 

 

これはまずい。

 

 

脅しても頑として動かず・・・

 

 

下手なことをして張り付かれたら・・・

 

と、考えただけでも恐ろしい。

 

 

 

仕方がないので、意を決し、移動していただくことにした。

 

 

ほうきでちりとりの中に追い込もうとしたのだが、それでもなかなか動かない。

 

 

何しろ、張り付かれたら困るので、こちらもおっかなびっくりで、

 

「うわ!ひえっ!」

 

などと、思わず奇声をあげながら格闘すること数分・・・

 

 

ようやくちりとりの中に追い込むことができた。

 

 

 

例えば、これがティキとか、Gならば、このままちりとりの中に大人しくしてはいないのだろうが、トッケイは、微動だにせず・・・

 

 

視線をちりとりの中のトッケイに釘付けにしながら、慌てて裏口の扉を開け、外に出すが、今度はちりとりの中から動かない。

 

ほうきで剝がそうとしても微動だにせず。

 

吸盤が強力、というのは、正しいのかもしれない・・・

 

なんて納得したりして。

 

 

 

もうめんどくさいから、ちりとりごと放置した。

 

 

翌朝、ちりとりの中からはいなくなっていたので、ようやく家の中から追い出せたようだ。

 

 

 

 

まぁ、正直に言えば、あのまま家の中で成長を見守っていたい気持ちもなくはなかったけど、どのくらい大きくなるのかはわからないけど、あんまりデカいのはやっぱり怖いしなぁ。

 

 

 

 

しばらくして、どこからか

 

「トッケイ!トッケイ!トッケイ!」

 

と、大きな鳴き声が頻繁に聞こえてくるようになった。

 

 

あの赤ちゃんトッケイなのかはわからないけど、思わず「ふふふ」と、笑ってしまった。

 

 

 

鳴き声のする方からして、たぶん外壁だろうと思う。

 

 

お願いだから、家の中には入ってこないでね。