フィリピンに限らず、東南アジアでは、バイクは重要な庶民の足である。
インフラがお世辞にも整っているとはいえない国で、ほぼ慢性化している渋滞する道路・・・
車なんぞでは、スイスイと動けず、時間も読めない。
ジプニーやバスも、あくまでも運転手の都合でしか動かんので、まったくアテにならんし・・・
バイクは、車に比べ、値段も、庶民に到底、手が届かない、というほどでもない。
実際、ある程度の職のある人は、ローンで割と安易にバイクを購入している。
利子がとっても高そうだけど、そのへんを、計算できる人は、ほぼいないと勝手に思っている。
そんなわけで、世の中、コロナだろうが、不景気だろうが、給料はほとんど上がらなかろうが、物価がどんどん上がろうが、そんなのお構いなく、近所にも新品バイクが溢れている・・・
道路から少し入ると、密集した住宅地(掘っ立て小屋に近いものも少なくない)になっているが、誰もが自らの土地に法的に認められているギリギリまでの建造物を建てるために、迷路のような細い道(というか獣道?)が張り巡らされている。
私の中ではなかったことにしている集落の奥にある土地だって、購入した時には、将来、車でも買おうと、大きな門を取り付けたが、今となっては、その門の向こうには、家々が建ち並び、開けることもできないただの柵だ。
迷路のような道も、誰かが家を建てれば、通れなくなり、迂回せなるを得ず、どんどん狭くなっているように感じるのは私の気のせいではないだろう。
その証拠に、以前は、奥の自宅まで乗り入れられていたであろうバイクが、たくさん道路沿いに駐車されている。
かくいう私も、隣の叔父さんの家の横に停めさせてもらっていたが、アメリカの叔母さんの家の建設や、叔父さんの家の門などの問題で、行き場をなくしかけていた。
アメリカの叔母さんの家に停めさせてもらう、という手もあったが、その隣の洗車場をやっている両替屋の叔母さんの娘に、夫が話をしてくれたら、快く「タダ」で、停めさせてもらえることになった。
今まで、叔父さんの横に停めさせてもらっていた時は、バイクの前後に、叔父さんの家の物が置かれたりしていて、すぐに出せない状態になっていたり、気まぐれで門のカギをかけられ締め出されたり、かなりのストレスを感じていたが、それがないのは、本当に有難い。
何せ、洗車場なのだから、汚くなったら、すぐに洗ってもらえるのも便利!
それに、何より・・・
私もついこの間、気が付いたんだけどさ・・・
私のバイクを置いてある場所の奥に、古い車のシートが置いてあってね・・・
いらないものをただ置いてあるだけなんだろうと、たいして気にしていなかったんだけどさ・・・
先日、早朝に、バイクに乗る機会があって、取りに行ったら・・・
私のバイクの奥の、古い車のシートの上に、3人くらい寝てた。
シーツのようなものに包まっていたので、最初は気が付かなかったんだけど、私がバイクのエンジンをかけた瞬間に、モソモソと動き出してね・・・
「ひえ?」
と、思わず声が出てしまったけど、見れば、見知った顔で・・・
たぶん、だけど、夫の弟の子供たち・・・?
またある日、同じ場所で、カセットコンロで料理をしていたり・・・
え?
住んでいるの?
ここに?
完全に外だよ?
まぁ、屋根はあるけど。
相変わらず、逞しいね・・・
この辺は、ほとんどが親戚で、見知った顔しか住んでいなくて、治安も悪くはないけど、外にバイクを停めるのは、多少なりとも不安があったりしたけど・・・
ここで見張ってくれていれば、少しは安心だぜ。