あれは、コロナ渦の真っ只中のこと・・・

 

予防接種を受けに行ったら、いきなり

 

「高血圧です!」

 

と、言われたのが始まりだった。

 

 

それも、接種前には、通常だったにも関わらず、接種後に。

 

 

それから、二度目の接種は、接種前にも血圧が高くて、結局、その日には受けられず・・・

 

 

医者には、こんな状態で、よく平気でいられるね、みたいなことを言われたが、まったく自覚はなく・・・

 

 

慌てて血圧計を購入し、自宅で何度か測ったのだが、別に高いという数字ではなかったのだが、どうも接種会場に行くと、いきなり数値が上がってしまうという謎の現象が続いて・・・

 

まぁ、何とか二度目の接種は受けられたので、ま、いいか、と放置していたのだが・・・

 

 

しばらくして、突然、膀胱炎になり、病院を受診した際にも、私の血圧はものすごく高くて・・・

 

 

その際に処方された薬を、イマイチ、納得できないまま現在も飲み続けている。

 

 

 

しばらくは、その薬を購入する際に、処方箋を見せていたのだったが、ある時から、

 

「別にいらないよ!」

 

と、薬局のオネエサンに言われたので、薬の空き箱のみを持って購入していたのだったが、先日、いきなり、

 

「処方箋は?」

 

と、聞かれた。

 

 

「え?いらないって言われてたよ?」

 

「今はいるんです!」

 

 

フィリピンあるある、だ。

 

突然、ルールができる。

 

じゃなくて・・・?

 

元々、どんな薬でも処方箋は必要だったが、ま、いっか、みたいに、だんだんユルくなっていたが、いやいや、やっぱ、ちゃんとしなきゃだめだろ?って、元に戻った・・・?みたいな?

 

 

仕方がないので、2年前にもらった処方箋を見せ、とりあえずは、目的の薬は買えたのだったが、

 

「この処方箋は古いから。次から新しいのにして。」

 

と、言われた。

 

 

 

 

いや、そもそもさ・・・

 

 

どういうわけか、外で測ると、突然、高くなる私の血圧・・・

 

薬を飲むほどのものなのかは、未だに疑問なのだが、一度、飲み始めたものを、いきなり止めて、プッツンとどこかの血管が切れても困る・・・

 

 

 

処方箋をもらうために、もう一度、病院に行くか・・・

 

 

と、思っていたのだが、ハタと思いだした。

 

去年、食中毒になった際に、両替屋の叔母さんの娘の医者に、処方箋をもらったことを・・・

 

 

 

サクッともらえないかな・・・

 

 

と、まずは、夫に相談してみた。

 

 

「大丈夫、もらえるよ!明日の朝にでも、家に行ってお願いしてみな!」

 

と、軽くおっしゃる。

 

 

それにしても、朝って・・・

 

「6時なら、絶対にいるでしょ!」

 

 

いやいや、朝の6時に、突撃するのは・・・

 

 

 

って、この辺りでは、割とフツウのこと。

 

この辺は、どこの家でも、朝は早いし、逆に、そのくらいの時間なら、確実に家にいる、みたいな?

 

 

ウチにも、朝早くに突撃されるけどさ・・・

 

まぁ、私はさ、お猫様たちの餌くれ攻撃で、5時半くらいには起こされるし、寝起きだろうと、別に気にすることもないけどさ。

 

 

そういう貧乏人の常識が、果たして両替屋の叔母さん一家に通じるのかは、疑問だよ?

 

 

 

なので、私はあくまでも、日本人として(?)、まずは叔母さんにメッセージを送ることにした。

 

娘の医者の連絡先は知らないからっていうものあるんだけど。

 

 

 

すると、すぐに叔母さんは、返信をくれた。

 

今は仕事でいないから、帰ってきたら、連絡してくれると。

 

聞けば、毎日は、帰ってきてはいないんだそう。

 

 

そりゃ、そうだよね。

 

医者なんだから。

 

夜勤とかだってあるだろうし?

 

 

ほら、やっぱり、いきなり突撃しなくてよかった。

 

 

 

数日後、叔母さんから連絡があり、以前の処方箋と、現在、飲んでいる薬の箱の写真を送ったら、すぐに処方箋を届けてくれた。

 

 

 

すご。

 

 

「いくらですか?」

 

と、聞けば、いらない、と。

 

 

こちらの医者なんて、処方箋をあげるのが、飯のタネみたいなものなのに・・・

 

病院に行けば、500ペソ(約1350円)以上はするよ?

 

 

こちらとしては、お金の問題ではなく、病院に出向く手間が省けるってだけでありがたいのに。

 

こっちの病院は、行くだけで体力が削られるから。

 

 

まぁ、お礼はそれなりのスイーツでもそのうちに持って行こう。

 

 

と、町に出たついでに、高級スイーツ店に寄ってみた。

 

 

直径15㎝くらいの、見た目も美しく、絶対に美味しいんだろうなぁ、というタルトが・・・

 

一個300ペソ。

 

 

とりあえず、2個、買った帰り道にちょっと考えていまった。

 

 

私のような一人暮らしならば、大喜びだろうけど・・・

 

 

両替屋の叔母さんの家には、現在、何人、住んでいるのかはわからないけど・・・

 

 

絶対に、これじゃ、足りない気がする。

 

 

本来、私に処方箋をくれた医者の娘と、取り次いでくれた叔母さんにお礼ってことでいいんだろうが・・・

 

 

何か、気が引ける。

 

 

 

と、途中で、リーズナブルなケーキ屋に寄り、9個で320ペソのカップケーキを買い、結局、それを帰り道にある両替屋に預けてきた。

 

 

高級タルトは、私が食べよう・・・

 

 

何か、却って散財しちゃったよ・・・

 

 

病院に行った方が、安かったかも。