隣の叔父さんの家の隣に、アメリカに住む叔母さんの家が建設中・・・

 

という話は、したと思う。

 

 

確か・・・

 

工事が始まったのは、去年の6月頃だったと思う。

 

 

私の家は、その辺のおっさんたちに設計図もなく、適当に建てられ、2か月くらいで出来上がったと記憶しているが、この叔母さんの家は、なかなか出来上がらず・・・

 

 

ようやく先日、完成した。

 

 

フィリピンでありがちな、途中、放置、なんてことはなく、半年の間、土曜日も含め、ずっと作業をしていたから、よほど丁寧に作られたんだな、なんて、思っていたが・・・

 

 

次男の話では、総工費2ミリオンペソ!(日本円で約528万円)

 

だそうで、何だか納得してしてしまったよ・・・

 

 

 

ちなみに、20数年前に建てた我が家は、50万円ほどだった・・・

 

 

まぁ、見るからに「ちゃんとした家」だよ。

 

 

 

金、持ってんだな。

 

 

 

 

1月の半ばに、アメリカの叔母さん夫婦が、出来上がった家を見に来る、ということで、年始には、急ピッチで仕上げ作業が進められていたのだが・・・

 

 

 

道路に面したところには、かつて隣の叔父さんの嫁が営んでいた簡易食堂があってね。

 

自分でやるより、貸して家賃にした方が、実入りがいいってことになったのかは知らんが、コロナ渦に、いきなりガス屋(LPガスを売る店)になった。

 

それも、おととしの台風で、店のシャッターがどこかに飛んでいくという被害を受け、しばらくは営業していなかったんだけど、ほとぼりが冷めた頃に、またガス屋が復活していた。

 

 

 

アメリカの叔母さんが家を建て始めても、しばらくはこの店もあったのだが、驚くことに、この店の土地は、アメリカの叔母さん名義のものだった。

 

なのに、勝手に叔父さんが、ガス屋と契約を交わし、家賃も勝手に自分の懐に入れていたらしい。

 

「え?どうすんの?」

 

と、余計なお世話だけど、心配していたが、なんとかガス屋を追い出し、店は解体された・・・

 

 

のだったが。

 

 

 

取り壊された店にくっついていた門が、そのままになっていた。

 

 

この門は、私も利用する門で・・・

 

 

アメリカの叔母さんの家は、道路から少し奥まったところに、きちんとした門がある。

 

店がなくなったために、門だけ残され、門の意味が全くなくなってしまった。

 

 

これに対し、アメリカの叔母さんが、新たに、隣の叔父さん宅用に門を取り付けようと、費用の負担も申し出てくれたようなのだが・・・

 

 

なぜか、叔父さんが拒否・・・

 

 

 

門がなくなり(いや、門はあるのだが、店がなくなったために、横から誰でも入れるようになってしまった状態)、ちょうどクリスマスの季節で、叔父さんの家には、頻繁にナイゴンと呼ばれる、クリスマスソングを歌うので、なにがしかよこせ、という輩が来るようになった。

 

挙句の果てに、ここの家の息子のバッグ(アイランドホッピングのビジネスをしており、結構、まとまった金が入っていた、とか?)が盗まれる、という事件も起こった。

 

 

隣の叔父さんの家の前を通り過ぎなくては、我が家には来れず、まぁ、知らない人が入ってくることは、まずないのだが、まったくの無関係というわけでもなく、

 

「え?何で門、つけないの?」

 

と、夫に聞いたら、

 

「わからん!」

 

と、苦笑い・・・

 

 

 

新しい門を、アメリカの叔母さんがつけてくれるってのを、なぜにわざわざ断る・・・?

 

 

理解できないが、

 

「プライド?」

 

と、次男。

 

 

 

プライドって何の?

 

 

と、私には、到底、理解不能なんだけど。

 

 

で、更に、驚くことにさ。

 

道路に面した土地は、すべてアメリカの叔母さん名義なんだそうで・・・

 

 

例えば、アメリカの叔母さんが、もうここは使わせないって言ったら、出入り口をふさがれてしまうわけなんだよ。

 

 

私も困るんだけど、まぁ、私はこんなこともあろうかと、裏口を数年前に作ったので、いざとなれば、裏口を使えばいいんだけど、叔父さんの家は、そうもいくまい・・・?

 

 

 

なのに、どうしてそんなに頑ななわけ?

 

 

 

 

 

ガス屋を壊し、叔父さんの家の門だけが、ポツンと残された。

 

まったく意味をなさない門が、なぜかいつまで経ってもそのまま放置されていた。

 

 

アメリカの叔母さんたちがやってくる日が近づいているというのに、まだ撤去しないのは、隣の叔父さんがごねているから、だという。

 

 

いや、だから、そもそも、ここは、叔父さんの土地じゃーないわけで、ごねるって???

 

 

 

誰に聞いても、

 

「わからん。」

 

と、苦笑いしか返ってこなかったが、とうとう、明日、アメリカの叔母さんたちが、やってくる、という日の朝・・・

 

 

 

 

門が備え付けられていた片方のコンクリートの支柱だけが、取り壊され、門は、不安定な状態で残された。

 

 

 

これを見たら、アメリカの叔母さんはともかく、アメリカ人の夫は怒り狂うだろう、と、誰もが思っていたのだが・・・

 

 

 

アメリカが大雪で、出発できず、しばらく来比は延期されることとなり、事なきを得たのだが・・・

 

 

所詮は、「しばらく」だ。

 

 

この間も、アメリカの叔母さんの代わりに、家の建設の管理を任されていた両替屋の叔母さんが、一方的に隣の叔父さんにまくしたてられ、泣きながら帰っていく、というような場面が幾度となく繰り返されていた。

 

 

「いや、叔母さんの言ってもしょうがなくね?」

 

って、話なんだが、なぜか、隣の叔父さんは、直接、アメリカの叔母さんには、キツイことは言わない。

 

 

まぁ、バックには、アメリカ人の夫がいるからね。

 

 

 

前にも書いたけど、隣の叔父さんは、強い人には、めっぽう弱い。

 

しかし、自分に口答えをしてこない、または、勝手に立場が下、と思っている人には、ガーガーと理不尽極まりないことを喚き散らすすがしがしいほどの小物である。

 

 

本来なら、両替屋の叔母さんには、経済的に圧倒的に負けているはずなのだが、自分の妹で、しかも、常識的で人の好いこの叔母さんは口答えなどしないので、やけに強気なのだ。

 

かわいそうな叔母さん・・・

 

と、同情を禁じ得ないよ。

 

 

 

そして当初の予定から約2週間後、アメリカから叔母さん夫婦がやって来た。

 

完成した家の出来栄えには、満足したようだが、今にも倒れそうな古びた門をみて、どう思ったのかは知らないけど、速攻、撤去された。

 

 

その後、叔父さん宅に通じる通路に、小さな門が取り付けられたが、もともとどこかで使われていたやつ持って来て、紐で括り付けた・・・

 

門(仮)

 

という感じ。

 

 

 

 

私は、まぁ、引きこもりで、あんまり外にはでないけど・・・

 

 

長年、使っていなかった裏門を、ちゃんと使えるようにしておこうかな。