次男の(日本の)小学校のクラスメイトだった子が、セブに遊びに来ました。
いきなり我が家への滞在はキツかろうと、安ホテルに滞在してもらったが・・・
「監獄にいるみたいだった・・・」
との、たいへん素直な感想を述べていました。
やっぱり・・・?
もちろん、本物の監獄には入ったことはないだろうが、イメージとしては、たいへん伝わりやすいよ・・・
とにかく安さ重視、ということで、飛行機も、直行便があるにも関わらず、値段が安いマニラ経由のチケットを次男が購入したため、10時間もマニラで待たされることになり、セブに着いたのは、真夜中で・・・
次男、ともどもヨレヨレになっていた。
お金で時間を買う、ということを、理解してもらえたにちがいない。
安ホテルに向かう車中で、
「トイレットペーパーを流してはいけない。」
という、フィリピンでは当たり前だけど、ほとんどの日本人が知らずに詰む注意事項を申し渡す。
「え?どういうこと?」
と、聞き返す日本の若者・・・
フィリピンの下水道事情は、建物の下や脇に作られた大きな穴にそのまま貯める方式なため、トイレットペーパーなどは、詰まりの原因となりやすく、迂闊に大量のそれを流すと、地獄をみることになる。
本来、水に溶けやすいトイレットペーパーなどは、そのまま流しても問題はないはずだが、不特定多数の使用するトイレでは、トイレットペーパー以外で尻を拭く強者がいる。
そういえば、我が家のトイレを作った時、まだ存命だった夫も祖母が使う度にトイレが詰まり、どういうことか、と、思ったら・・・
新聞紙を流していた、というシャレにならんことをやらかしていた、なんてこともあったよね。
フィリピン人、もしくは、長くフィリピンに関わっている人にとっては、常識中の常識であるが、初めての海外の日本の若者には、きちんと教えておかないと、ね。
そのために、トイレットペーパーを捨てるゴミ箱も、きちんと備わっているのだから。
逆に、日本に行くとさ・・・
これ、無意識に探しちゃうのよ。
一瞬、ないって焦るんだけど、いやいや、ここは日本だから、と、自分に突っ込み入れたりして。
慣れるまで結構、かかるよ。
で、真夜中に、安ホテルにぶち込み、翌朝の感想が・・・
「監獄にいるみたいだった・・・」
って、やるだった、というね・・・
いいねぇ。
カルチャーショックってやつだね、ふふ。
その日は、次男の仲間を引き連れ、アイランドホッピングに出かけ、ここ数日、風が異様に強かったため、セブの海にしては、波も高く、まんまと船酔いをし、島で食べるバーベキューは、ハエの多さに辟易し、げっそりとして帰って来た。
何がやだ?と、聞けば、外で食事をすると、瞬く間にハエだらけになる、とか、やはりトイレ事情、とか。
「いやいや、いくら安ホテルとはいえ、便座あったでしょ?まだましだよ?」
と、言えば、
「え?便座がないってどういうこと?」
と、絶句していたけどね・・・
便座が外のトイレでない、なんて、ほぼほぼ当たり前のことだからね。
最近は、あるところも珍しくはないけど、私なんかは、逆に「すごい!」って、感動すらしちゃうよ?
まぁ、そんな感じで、いろいろと今まで当たり前の世界だと思っていたことが、実は当たり前ではなかった、ということを、まさに体感し、
「日本って素晴らしい国ですね!」
と、言い残し、帰って行った・・・
まぁね。
私もさ。
割と、いろんなことをすんなり受け入れられるタイプの人間だったけどさ。
フィリピンに来て、数日後のこと。
電気もない島に滞在していたのだが、ある朝、島民が、鍋を持って海辺を歩いていた。
見ていると、何かを拾っていた。
「おーい!たいまいもおいでー!」
と、誘われたので、言ってみると、拾っていたのは、スワキと呼ばれるウニで・・・
それを割って、中身を出す。
持っていた鍋の中身は、炊いたご飯で・・・
その場で、鍋のご飯を、手でつかみ・・・
ウニと一緒に食べていた・・・
のを見て・・・
「あ、この人達とは、相容れない。」
と、思ったものだが・・・
今じゃ、ぜんぜんできるよね。
人間とは、慣れる生き物だよ。
たぶん、初海外で、かなりディープな体験をさせてしまったと思うけど、今後の彼の人生に幸あれと願うよ。