ある夜のこと。
10時を少し過ぎて、昼寝もたっぷりしたにも関わらず、ちゃんと眠くなったので、戸締りをしっかり確認し、寝床に行こうとリビングの灯りを消した。
家の中は真っ暗・・・
寝床のある部屋に向かう途中で、ふと足を止める。
何か違和感がある・・・
カサカサ・・・
と、どこかで聞こえる。
耳を澄まして、全神経を集中させ、音のしている方向を見極める。
カサカサ・・・
うん、確かに聞こえる。
何?
と、音のする方に近寄る。
そこは、以前のママの部屋。
今は物置となっている。
え???
ねずみ?
にしては、お猫様たちの反応はない。
もう一度、音の出所をしっかりと見極めると、ドアの枠から聞こえる。
カサカサ・・・
これは・・・
シロアリだ。
少し前にもネタにしたが、突然、どこからともなくやってきて、照明の下に柱のように大量発生するアレ。
ひえ~~~~
しかし、私は慌てない。
冷静に殺虫剤を持って来て、ドアの枠にこれでもかと降りかける。
それでも、音はなかなか止まないのだが、殺虫剤の液が垂れるくらいに降りかければ、照明目掛けて出てくることはないことは実践済みだ。
しかし、これはなかなかに恐ろしい。
そういえば、昔、やはり誰もいないはずの部屋からこういう音が聞こえ、音の正体を突き止めようと探し回っていたら、父が置いて行った大量の単行本にシロアリが無数に巣くっていて、大騒ぎをした記憶が蘇る。
あの時は、私の悲鳴で、隣の叔母さんがすっ飛んできてくれて、単行本の入っていた段ボールごと燃やしてくれたんだよなぁ・・・
私は何もできず、ギャーギャーを騒いでいただけだったが・・・
あれから、何年が経っているのかは覚えていないが、今は一人で冷静に対処できるようになったよ。
フィリピンで、おばけより恐ろしいのは、生きているものだよ。
ところで、殺虫剤だけどさ。
ウチにはお猫様もいらっしゃるし、何となくマイルドかなぁ、と、自然由来と謳っているものを使っていたのだが、それがどういうわけかスーパーで見かけなくなったので、仕方がなくこちらでは一番ポピュラーな「Baygon」というメーカーのものを買ってきたんだよね。
前回のシロアリ騒ぎの時から、この「Baygon」を使っているのだが・・・
かなり強力である。
以前のものは、シロアリに直接降りかけても、即死はしなかったが、これは一発。
Gにも有効で、風呂場で一回、Gを仕留めると、その後、しばらくは姿を見せない。
なので、予防的な意味で、木の部分に定期的に降りかけることにした。
なんというか、なかなかに臭いのだが、シロアリにむざむざと喰われるよりはマシだ。
心配していたお猫様の影響は・・・
多少はあるのかもしれないけど、今のところは皆さん、気にしていないようだし、体調にも変化なし。
「一番」は伊達じゃないんだな。
なんて、妙に納得したりして。
切らさぬよう、常備しておくべきアイテムだな。
それにしても。
フィリピンの一人暮らしは、なかなかに刺激的だ。