セブではバブルだとこの間も記事にした・・・
 
経済特区でも、次々に新しい工場が建設されていて、毎朝、通勤の時に通る道沿いでも大きな工場を作っている。
 
 
しかし、その一方で、あんまり景気のいい話ばかりでもないようで、日系企業に勤める叔母さんは、2週間くらい、仕事がない、とのことだった。
 
生産調整らしいのだけど、一日、法律で定められた最低賃金しかもらっていないこんな叔母さんのような人たちは、本当に困るらしい。
 
食べるものの現物支給は、それなりにあるとのことだけど、アテにしている現金が入らなくて、
 
「どうすりゃいいの・・・」
 
と、ボヤいている。
 
 
 
・・・それは、私に何とかしてくれ、ということ?シラー
 
 
いつものことだけど、はっきりは言わないが、おそらくはそういうことなんだろうけど、こっちも慣れたもんで、
 
「ふうん、それは、たいへんだねぇ。」
 
などと、テキトーに相槌を打ったりしていたが、考えてみれば、この叔母さんには、普段からいろいろと用と頼んでいるので、今回ばかりは、こちらから、
 
「これ、貸してあげるよ。お金があるときに返してね。」
 
と、言ってポンと2000ペソ(約4000円)を渡した。
 
 
 
 
困ったときはお互い様。
 
 
 
 
こちらの人に金を貸すと返ってこない、なんていうのは、貸す側が、返してもらおうとは思わないからだ、という持論があるが、今回は、「貸す」とは言ったが、返してもらうつもりなどはなかった。
 
 
こちらも決して楽な生活をしているわけではない・・・
 
そう。
 
なぜか、急に苦しくなった。
 
 
 
なんでだ、とよーく考えたら・・・
 
 
 
私一人で子供たちを養っていた・・・
 
 
 
 
おととしと去年、子供たちを一人ずつ、日本に行かせていたから、何とか私の稼ぎで生活できていたが、子供二人ということは、何でも2倍である。
 
給料日前になると、
 
「あれ、お金がない!」
 
なんてことが、しばらく続き、こんなことは久しぶりで、何で私、こんなに金がないんだ、と真剣に考えたら、そういうことだった。
 
 
 
ウチには、日本で働いている一家の大黒柱がいたっけね・・・
 
 
 
今まで、忘れていたけど。
 
 
 
 
 
 
 
それはともかく。
 
気前よく、叔母さんに2000ペソも、「貸す」とは言ったが、私の中では、あげちゃった私・・・
 
 
少しは節約しなくちゃ、と思っていたある日のこと。
 
 
 
日本人からやってきた知り合いに呼ばれ、夕飯をご馳走になりに出かけた。
 
もともとは、夫の知り合いで、自称「トモダチ」というモグリのガイドもいるが、その「トモダチ」、結構、日本語ペラペラと思われているが、よくわかっていないんだか、わかっているんだかは定かではないが、言ったことが伝わっていなかった、と言うことが何度かあり、で、例えば、ホテルの予約、人数、国内線の手配などテキトーじゃ困るんだよね、みたいな連絡事項は、日本から私に言ってくる。
 
で、私は、その「トモダチ」に伝える、というだけのことをしているんだけど、毎回、ちゃっかり土産をもらい、何度か食事も奢ってもらう・・・
 
 
今回、この方たちは、かなりの大人数で、集めた金が余ってしまった、ということで・・・
 
 
 
私にまで、チップをいただいてしまった。
 
 
 
「いえいえ、私は何にもしていませんから。」
 
と、一応は断ったが、無理矢理、握らされ、
 
「す、すみません、ありがとうございます。」
 
と、金額も見ずに、そのままポケットにしまって帰ってきた。
 
 
 
翌日になって、そういえば、と思い出し、ポケットを探ると・・・
 
 
2000ペソ!!!ラブラブ!
 
 
 
これは、叔母さんにあげたつもりの2000ペソだな。
 
金は天下のまわりもの、とはよく言ったもんだ。
 
 
 
 
神様、ありがとう。(←完全なフィリピン人・・・?)