夜中に、長男が、熱を出しました。

3日くらい前に、虫に刺された、と言って、かゆがっていたところが、膿んでしまったようです。

場所が場所だけに、心配になり、病院に連れて行きました。


フィリピンの病院の行き方は、日本とは、だいぶ、違います。

我が家の息子たちの場合、かかりつけの医師がいます。
産まれた時から、お世話になっている、信用できる女医さんです。

しかし、今日は、日曜日。
診察日では、ない。

しかも、長男の症状は、明らかに、首の化膿が、原因で、熱が出ている。
要は、こんな時、どんな薬を、飲めばいいのか?ってことを、知りたいだけなのね。

更に言えば、この女医さんに、診てもらうには、セブ市内の病院まで、行かねばならぬ・・・

だから、今日は、マクタン島内の、病院の、ER(エマージェンシールーム)に、行ってきました。

ER、というと、フツウの日本人のイメージとして、救急車に乗って、行くところ・・・つまり、その名の通り、急を要する、という感じだけど、うまく利用すれば、効率的なところです。

普通、病気になると、診療所で、診てもらうわけだが、これが、ハンパでなく、待たされる。
腕がよいとされる医師ほど、待たされる・・・

しかも、その医師は、常にそこにいるわけではなかったりする。
救急の自分の患者がいれば、診療時間であっても、そこには、いない。

何時間も待たされて、診てもらったとする。
が、何かの検査をしないといけないとすると、更にそこから、また、新たな順番待ちが始まる。
そして、検査の結果が出たら、また医師のところに戻る・・・
当然、また、待たされる・・・
で、ようやく、何の病気か診断され、必要な薬を処方される、という流れ。

これが、ERだと、すぐに診てもらえて、その場で、処方箋をくれる。
検査が必要でも、結果が出れば、すぐに、診断もしてもらえる。
ただし、ERを利用するのに、450ペソかかるけど。

450ペソは、確かに、高い。
けど、普通の診療所でも、150ペソから200ペソは取られる。

一応、日本人だしさ、それくらい、払っても、楽な方に行こうよ・・・

というわけで、ER、直行。

すぐに診てもらえました。
「この首の化膿が、原因ですね。」

そんなことはわかっているよ・・・
抗生物質の処方箋をちょうだい・・・

病院に着いて、20分足らずで、処方箋ゲット!

早速、薬を買いに行く。

一緒に付いて来てもらった、親戚の叔母さんが、
「外で買いな。」
と、言った。

わかってるって・・・
フィリピンでは、同じ薬でも、買うところによって、値段が、ぜんぜんちがうんだよね。

病院の中の薬局は、やはり、高い。

だから、外の薬局で、買え、ということなのね。

しかし、今日は、日曜日で、外の薬局は、店を閉めているところが多い。

1軒だけ、開けている店があったので、そこで処方箋を見せると、
「ない!」
と、あっさり、言われてしまった。

周りを見回しても、他に、薬局は開いていない。

すると、叔母さんが、
「私が、市場まで行って、買ってきてあげる。」
と、言ってくれた。

お言葉に甘えて、長男を連れて、先に帰らせてもらった。

ところが、叔母さん、なかなか、帰ってこない。

しばらくして、叔母さんより、電話があった。
「どこの薬局でも、ないって。これから、もう一度、病院に戻って、他の薬を処方してもらう。」
とのこと。

それから、たっぷり2時間して、ようやく、叔母さんが、帰って来ました。

叔母さん、ヨレヨレである・・・

「どうしたの?」
「疲れた・・・」

叔母さんの話・・・
かなりの薬局をまわったが、処方箋に書かれた薬は、どこにもなかった。
なので、もう一度、病院に戻って、別の薬の処方箋をもらった。
それで、再度、薬局を回ったが、やはり、その薬もない・・・

またまた、病院に戻って、別の薬を処方してもらおうとしたら、
「別に何でも構わないんですよ。」
と、言われたんだって。

薬っていうのは、製薬会社によって、それぞれに、名前がちがくなっている。
処方箋と言うのは、医師が、薬カタログみたいなのを、見ながら、処方してくれるわけね。
だから、同じ成分の薬でも、いろんな商品名が、ついていて、しかも、商品名は、断わりなく変わる。

例えば、最新の薬カタログを、医師が見ていなければ、そんな名前の薬は、ありません・・・ということになる。

処方箋には、成分と、商品名が、書いてある。
商品名通りの薬でなくても、要は、成分が同じならば、よい、のだそうだ。

叔母さんは、病院の前にある薬局で、処方された成分と同じ薬を、買ってきてくれました。

しかし、この話には、更に続きがある。

抗生物質ってのは、1週間くらい、続けて飲み続けないと、ダメみたいで、処方箋にも、1日4回を7日間、と書いてあった。
そこで、私は、計算にして、何ml分、買ってきてね、と、叔母さんにお願いしていた。

叔母さんは、病院の前の薬局で、とりあえず、2箱、買った。
1箱に、何ml入っているのか、わからなかったから。

買ってみて、よく見たら、私が言った量に、足りない、ということがわかった。

そこで、ウチの近所の薬局で、更に、2箱、買い足した。

すると、さっき、病院の前の薬局で買った時には、1箱、75ペソだったのに、近所の薬局では、1箱、40ペソだった・・・

叔母さんは、すまなそうに、私にお釣りを、返してくれました。

薬は、病院の近くで買ってはいけないらしい・・・