本日のお客様
イギリス英国王室ご用たるの有名ファブリックメーカーの「スペンスブライソン」からリネンスーツを御注文。
「スペンスブライソン」「のくわしい事はこちら
ライニングは拘って、さらっとしたドライ感を感じさせる「アルパカ」を使用。
よくお客様からのお問い合わせで、「オタクではハンドメイドですとおいくらでやってらっしゃいますか」。との話があります。
「ハンドメイド」このい言い方は本当にあいまいな言い方で何処までが「ハンドメイド」なのかもあります。
ごく一般的な「ハンドメイド」は一人の職人が裁断から縫製全工程を一人の職人でまかなう「フルハンドメイド」のことを言います。
この場合、値段も非常にかかるし、日数もたくさんいただいておりますのでお客様のご負担はあるかと存じます。
少しでもハンドメイドの味を出したいジャケットやスーツをご要望の方には、各箇所の部分部分をフルハンドメイドを付けると、「誰もが持っていないオーダースーツらしくなります。
その中で「フルハンドメイド」の本ステッチがあります。
AMFステッチの糸はポリエステル糸でステッチをマシンでかけます。
マシンでかけるには糸を引っ張って進んでかけるのでちょっときつくかけざるを得ません。
当然糸は余裕が無いために、出来上がったときは綺麗でも、クリーニングを頻繁にかけるとアイロンの熱のため糸がポリエステルの特異性として当然のように縮み上がり突っ張ります。
夏の上着の場合、よく端が波のようにびりびりにつってしまうのがその理由(訳)なのです。
常極細の糸でステッチをかけます。
今回はステッチの存在感を出すために、比較的太い穴をかがる用の「穴糸」でかけることをご要望。
本来は星ステッチといって、夜空に輝く星のような丸いステッチが一般的。
糸をバック、もしくは横にかけていく工程。
そうすることによって丸く大きくステッチ感が出ます。
写真をご覧の通り、ワインレッドのステッチが丸く存在感あるようにかける味わい深い「フルハンドメイドらしいベスト」になります。
袖脇までステッチをかけました。
袖のエッジが綺麗になります。
今回はそれ以外のステッチ。
どちらかのSNSでご覧になったようでステッチ感をより際立たせるために「スティックステッチ」をご希望。
「スティックステッチ」とは
別名棒ステッチ
今回はそれ以上に「棒」のように、前に進むのですが、かけるときに“布をすくう”のではなく、上から下に、下から上に上げたり下げたりするのでより手間と時間がかかります。
運針を均一にゆっくり丁寧に、糸をかけます。
ご覧の通り、フルハンドステッチをかけるとよりフルハンドメイドらしくなります。
これまでの説明を読んできて、すべてのことが「それがなんなの、どってことないでしょ」と言ったら、なんにもなりません。
極論(きょくろん)ですがこだわりって、見方によっては「何もそんなに考えなくても」。と滑稽に見られがち。
しかし一着にかけるスーツは「ハンドメイド」により、その品物に対してその人の思いが伝わります。
どの業界でも職人達は、
“コロナ禍の最中、どんなに素晴らしい“技のある職人”がおられても、会社の経営上、泣く泣く人員整理されて”一気に居なくなった”と巷ではよく聞きます。
今まで仕立てることが可能だった多数の事が、残念なことに“職人不足”のためにできなくなったのが現状。
これから未来のある人達へ伝えていきたかった“素晴らしい技術や文化”は一度失ってしまうと途絶えてしまい“元へは戻れない”のです。
私自身「テーラー業界の中で生き残った数少ない洋服職人の一人」として
長年、培った仕立て技術で、できるだけ喜んでいただける“より良いオーダースーツ”をこれからもご提供できるよう、
力の限り“縫い続けていきたい”ですね。
お客様へ
渾身の一着
仕立て上がりました。
スペシャルプライスの詳しい事はhttp://www.tailorwatanabe.com/special-price.html
グーグルマップで店内が見られます。
https://goo.gl/maps/X1vb5Xmwcgn
2016年フリーペーパー「rojiroji」に当店が掲載されました。No.1詳しい事はこちらまでhttps://rojiroji-blog.tumblr.com/post/144935146801/tailor-watanabe-order
2016年フリーペーパー「rojiroji」に当店が掲載されました。No.2詳しい事はこちらまでhttps://rojiroji-blog.tumblr.com/post/147790642911/tailor-watanabe-fitting
テーラー渡辺ホームページ(渡辺弘行)
http://www.tailorwatanabe.com/index.html