今回は「ドーメル」「トニック」でエンブレム付きのブレザージャケットのご紹介。

「ドーメル」「トニック」についての詳しいことはこちら

 

「ライニング」は昔懐かしい「タイムボカン」「ドロンジョ様の陰影をモチーフにした現在市場では販売終了になり当店しか置いていないオリジナル裏地を使用。


タイムボカン「ドロンジョ様のライニング」のくわしい事はこちら

 

よくお客様からのお問い合わせで、「オタクではハンドメイドですとおいくらでやってらっしゃいますか」。との話があります。

 

「ハンドメイド」このい言い方は本当にあいまいな言い方で何処までが「ハンドメイド」なのかもあります。

 

ごく一般的な「ハンドメイド」は一人の職人が裁断から縫製全工程を一人の職人でまかなう「フルハンドメイド」のことを言います。

 

この場合、値段も非常にかかるし、日数もたくさんいただいておりますのでお客様のご負担はあるかと存じます。

 

少しでもハンドメイドの味を出したいジャケットやスーツをご要望の方には、各箇所の部分部分をフルハンドメイドで仕立てると、「誰もが持っていないオーダーメイドスーツ」らしくなります。

その中でフルハンドメイドの釦ホールがあります。

ハンドメイドのボタンホールは、頻繁に掛けはずしに丈夫に対応し、この立体感はハンドでなければでません。

 

ボタンホールは洋服の人間で言えば「目」にあたり、手かがりをする事により上着が随分と感じ方が変わります。

 

昔、洋服のうまく縫う職人か不器用な職人なのか、わかる判断方法はその職人に「ボタンホールをかがらせろ」。といわれておりました。

 

手先の器用な人でなければ何年たっても綺麗なボタンホールはかがれません。

 

年がばれてしまうかもしれませんが、約40年以上前になるでしょうか、私の洋服の修行時代は、仕事が終わった深夜、寝る間を惜しんで一生懸命にボタンホールの練習をいたしました。

 

現在どれほどのボタンホールを綺麗にかがれる佳い職人がいるでしょうか。

 

釦ホールのかがり方にも何種類あります。

私が知っている限りでも、10種類以上はあります。


かがる糸が違ってくると膨大な種類があるでしょう。


一般的なかがり方は、釦ホールの周りを糸で渡してからくくる方法。

今回は一番技術のいるかがり方をご指南。

「元結い(もとゆい)」でのかがり方をご紹介。

 

NO.1

まずは釦ホールの場所にチャコで印を付けます。

 

NO.2

その場所にしつけ糸で固定して、動かないようにミシンをかけておきます。

 

NO.3

ポンチで穴を空けて、「羽二重糸(はぶたえいと)という、糸の中でも一番細い糸で、丁寧にくくります。

 

NO.4

「ほつれーぬ」という布用接着剤でほつれ防止に液体を付けて20分待ちます。

 

NO.5

元結い(もとゆい)という、日本髪を結うときやお相撲さんがちょんまげを結うときに使う「こより」に極細の糸を綺麗に巻きます。

 

ここからが大事な工程

 

NO.6

その元結いを芯にして「穴糸(あないと)」で時間をかけて丁寧にくくっていきます。

 

一番端の箇所、コーナリングを綺麗に丸くかがるのが一番大事なところ。

“元結い(もとゆい)がずれて陥没しないようにくくるのが一番難しい、やり直しのできない大事な工程

 

下手するとすぐに陥没して“取り返しのつかない失敗”になるので慎重にかがらないといけない箇所

 

NO.7

ようやく完成

ご覧の通り“釦ホールが盛り上がり立体的”になっているのがわかると思います。

 

味も変わり、雰囲気もハンドメイドらしくなります。

 

釦ホールマシンでかがれば数秒で仕上がりますが、

 

ご覧いただいた通り、釦ホール1個をかがるだけでも約30分以上はかかることをご理解いただきたい。

 

糸の運針を均一にかがって、綺麗な釦ホールをかがれるようになるには毎日修行で練習して、少なくとも10年以上はかかります。

 

私も毎日縫っていて、42歳頃になってやっと納得した釦ホールがかがれるようになったものです。


イタリアの職人だってイギリスの職人だって全部がいい訳じゃなく、うまい人もいれば見られない下手くそな職人もいるものです。

 

納得のいく最上級の服。

 

他の誰にも着られない自分だけの大事な服。

 

「いいね」「素敵ですね」と誰からもほめられる佳い服。

 

大量生産では到底作れない味わいのある品格のある服。


最高に着心地のいい服はこうして出来上がってくるのです。

 

時間をかけてじっくりと仕立てる。

 

これこそが究極の贅沢な着心地感につながるのです。


これまでの説明を読んできて、すべてのことが「それがなんなの、どってことないでしょ」と言ったら、なんにもなりません。


極論(きょくろん)ですがこだわりって、見方によっては「何もそんなに考えなくても」。と滑稽に見られがち。

 

しかし一着にかけるスーツは「ハンドメイド」により、その品物に対してその人の思いが伝わります。

 

「たかがスーツ、されどスーツ」こだわりって「感覚的」なものだと思います。


私がこだわって縫ったスーツを仕立てる事により、そのお客様が喜んで、着ていただける。

 

その事により、私のアイデンティティ(存在感)を感じ、嬉しく思う。

 

スーツという媒体を通して、お客様と私との心のキャッチボール。

 

その事をこれからも、大事にして、スーツを縫っていきたいのです。

 

 

スペシャルプライスの詳しい事はhttp://www.tailorwatanabe.com/special-price.html

 

グーグルマップで店内が見られます。

https://goo.gl/maps/X1vb5Xmwcgn

 

 

2016年フリーペーパー「rojiroji」に当店が掲載されました。No.1詳しい事はこちらまでhttps://rojiroji-blog.tumblr.com/post/144935146801/tailor-watanabe-order

 

2016年フリーペーパー「rojiroji」に当店が掲載されました。No.2詳しい事はこちらまでhttps://rojiroji-blog.tumblr.com/post/147790642911/tailor-watanabe-fitting

 

テーラー渡辺ホームページ(渡辺弘行)
http://www.tailorwatanabe.com/index.html