良いフィッター(採寸者)の条件
オーダースーツ 東京ボットーネの松はじめです。
オーダースーツなんてどこも一緒では?
そんなことありません、と私からいったらお店側の都合のように聞こえるかもしれませんが、本当に全然違うと思います。
フルオーダーはもちろん違います。
でも、それは例えAテーラーさんのように、パターンオーダーでまったく同じ型を使っていても、採寸者によってかなり違うんですよね。
え?きちんと測ってくれたよ?という反論が聞こえてこそうですが、ここで大切なのは、測ることではないんですね。
一体何が重要かといいますと…
感性、
呼吸、
情熱、
この3つではないかなと経験から感じるのです。
・感性
同じ体型の人がいたとします。
採寸結果は、A採寸者もB採寸者も同じ。
ですが、その数値をもとに、どんなラインを作るか?
そこは、デザインと捉えて採寸者の提案的な服を作ることもあれば、
ライフスタイルをくみ取って、お客さんのイメージする服を作ることもあれば、
取りあえず適当な型紙を当ててみることもできます。
パターンオーダーだと、
この人はYA体の44から、ちょっと着丈と袖を調整しよう、、
とやったって服は作れてしまいます。
ちょっと採寸を覚えれば、アルバイトだってパターンオーダー・イージーオーダーのスーツなんて作れてしまうわけですね。
ですが、
同じパターンオーダーでも、なぜその着丈にするか?を考えられる人は違います。
ここが感性だと思うんです。
ビジネスで、印象を少ししっかりさせるために、着丈を1,5センチ長くする
これが、細かいことかもしれませんが、デザイン力なんですね。
・呼吸
どんなに腕のある職人や採寸者だって、馬の合わない人の服は作りたくない、というか作れないのです。
例えば初対面の異性に渡すプレゼントを考えてみて!といわれても、どうしていいかわかりませんよね?
どんな物が好きで、
どんな事にポイントを置いていて、
どうしたら喜んでくれるんだろう?
やはりまずは、人を知らなければいけません。
人を知るためには、会話することですよね。
だから、まず会話してみるのが一番なんですね。
そこで【この人とは考えが違うな】【なんだかピンとこないな】と思ったら、その店では作らないことです。
何だか違うな、と思って服を作った結果、うまくいくことは90%ありません。
・情熱
情熱って、目に見えるかといえば、そうではないんですよね。
ただ、熱がある人と、そうでない人って、なんとなく感じませんか?
仕事を志事として、【日本の未来のために、自分が立ちあがってがんばろう】
という人と、
【とりあえば日々の業務をこなしてお金をもらおう】
という人とでは、業績が違うのは当然ですね。
やっぱり、どうやったらお客さんに喜んでもらえるかな?
と日々改善を重ねている人と、
毎日ただ過ごしている人だと、
洋服作りに差が出てしまうんですね。
特にオーダーメイドは着数を作るたびに制度が上がっていくというんですが、これは何もしなくてもよくなっていくわけではなくて、
作り手が、前回の結果をさらに良くしようと、
もっと良くしよう!と努力するから、微差ですが次の服は前よりも良くなるんですね。
ということで、私が思う良いフィッター(採寸者)というのは、
・柔軟な姿勢でお客様に向き合え、コミュニケーション能力のある者
・与えられたことだけでなく、どうやったらもっと良くなるかな?と考え、提案できる者
・前の服よりも、今回の服、今回の服よりも次回の服、、と謙虚に進化できる者
ではないかなと思うんです。
私もまだまだまだまだでございますので、精進します。
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