“山紫水明”
「5年、10年、12年。」
「熟成のピークに到達した、」
「山崎モルトを選び抜きました。」
「サントリーピュアモルトウイスキー、
山崎。」
このCMで映されるのは山崎蒸溜所のある、
大阪と京都の境にある土地、山崎です。
天王山の麓に存し、
周辺を広大な緑に囲まれ、
日本の名水百選にも選ばれる『離宮の水』が
こんこんと湧き出る山崎。
山は日の光で紫にかすみ、
川の水は澄んで清らかであるということを
表した、
『山紫水明』
という言葉がこれほど合う土地は他に類を
見ないほどの美しい自然を有する地です。
そのような土地で、
12年という長い年月を熟成期間に要する
ピュアモルトウイスキー『山崎12年』。
山崎の造られる美しい自然環境を
存分に映し出し、
ウイスキーが熟成するのに経過する
長い年月を、
樽の中のウイスキーが色付くとともに
紅葉が紅く色付いていく様子を映すことで
表現しているとても美しいCMです。
このCMでテーマ曲に起用されているのは
久石譲さんの『Angel Springs』。
心に染み入るようなこの曲は
美しい大自然の元で造られる山崎に
思いを馳せながら幾星霜を重ねてきた人々を
温かく包み込むかのような優しさを
持ちます。
そして、
『なにも足さない。なにも引かない。』
という言葉。
コピーライターの西村佳也さんによって
生み出されたこのコピーは、
山崎の熟成過程とともに改めて見ると、
単純そうに見えて
いかにそれが難しいことなのかを
表現していることがよく分かります。
人間は自信の無さの現れからか、
つい余計なものを付け加えてしまいます。
それは必ずしも悪いことではないのですが、
結果として付け加えたものが過剰過多となる
ことが往々にしてあります。
このCM、コピーを振り返りながら
山崎を飲むと、
原点に戻れるような気がするのです。
まるで人生の教科書のようなCM作品です。