今日10月4日はいわしの日。

 

 

「1(い)0(わ)4(し)」

の語呂合わせから、

大阪府多獲性魚有効利用検討会

(大阪おさかな健康食品協議会)によって

昭和60年に制定されたそうです。

 

 

今や水揚げ量が減少しているため、

食卓に並ぶことが珍しくなったいわし。

 

 

もはや高級魚になりつつあるいわしを

一聴パフェと融合させたかのような、

視聴者の心をざわつかせるCMをかっぱ寿司は2015年に発表しました。

 

 

 

 

冒頭、

パパ、ママ、坊やの家族連れが

それぞれお寿司の入った皿を手に取り

かっぱ寿司のテーマソングのメロディにのせてネタを紹介していきます。

ママ「ハマチ」

パパ「中とろ」

坊や「甘えびロール」

 

 

 

続いて女子高生。

「サーモン」

「ハンバーグ」

 

 

 

次に女性3人組。

「いなり」

「サラダ」

「サーモン炙り」

 

 

向かって左側のピンクの服を着ている女性が「いなり」と歌うのですが

歌声とその仕草が一人だけ『プロ』の雰囲気を醸し出しており

この時点で少し心がざわつきます。

 

 

 

最後に高齢のご夫妻が登場し、

このネタメドレーを〆ます。

夫「パフェ」

妻「いわし」

 

 

 

紹介冒頭でも記載したようにこのネタメドレーは

かっぱ寿司のテーマソングメロディに合わせて綴られています。

 

 

「か~っぱかっぱかっぱのマークのかっぱ寿司♪」

 

 

この高齢のご夫妻の担当パートは最後の「かっぱ寿司♪」で、

細かくいうと男性のパートはその前半の『かっぱ』の部分です。

 

 

まぐろ、たい、えび、たこ、うに、えんがわ・・・

 

 

数多ある寿司ネタのどれでも当てはまりそうなパートに敢えて「パフェ」を、

いわしの前に入れるとアンバランスになる「パフェ」を、

しかも高齢の男性に紹介させたのはどのような制作者の意図があったのでしょうか。

 

 

僕は特別な意図はなかったのではないかと

考えています。

 

 

おそらく各々に好きなネタを聞き取りして

そのネタをそのままメロディにのせて

歌ってくださいとの指示のみあったのだと

思います。

 

 

そこで男性が自主的に、

確固たる信念を持って

「パフェ」

を選んだのだと考えます。



それを証拠に男性の顔を見てください。

誰よりも良い顔をしています。




お孫さんと回転寿司を食べに来たときに

ひと口食べさせてもらったパフェの味が

忘れられず、

お孫さんとの思い出を呼び起こさせるパフェを

いつも注文するのか。



貧しかった幼少期にはおよそ食べられなかった

アイスクリンの乗ったパフェを食べて、

現在の幸せを噛み締めているのか。



その真意は定かではありませんが、

パフェを選んだ理由、男性の背景への興味が

視聴者の頭のなかを駆けめぐり、

十人十色の考察を生み出すが故に

魅力的なCMとなりえたのでしょう。




CMは15秒のドラマです。



当然演出というものはありますが、

短いが故にその意図を説明する時間のないまま

幕が閉じてしまいます。



そこで生まれる疑問、考察、

そして垣間見られる演者の人間的な部分こそが僕がCMを愛する第一の理由なのかもしれません。



例えばこのCMについて、


「いやいや台本どうりに言わされてるだけ

でしょ?」


「おじいさんに『パフェ』って言わせたら

面白いっていう演出なだけでしょ?」



これを言ってしまえばCMは愉しむことは

出来ません。



短時間でチャンチャンと終わるCMを、

チャンチャンで結論付けずに長時間かけて

その底の底の真意を探る。



これこそCMを愉しむコツなのではないかと

僕は思います。




そういうスタンスでこのCMを見ると、

10倍も20倍も幸せな気持ちになることが

出来るのです。




おじいちゃん、パフェ食べられて良かったね。




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