~~~これは、「おなじさやのなか 四男 シメ」 からの続きです ~~~
私ね、気づいた時にはひとり。でも、不思議なんだけど、なんだか楽しいなぁ。
と、末っ子 真芽はじみじみ思う。
ニワトリがいつも傍にいるし、毎日、虹色の卵を産む。
それに、この船はがっしりしていて、私を守ってくれている。
ニワトリくん、きみ、どこから来たの? ずっとそばにいて、私を助けてくれるね。
気づけばこの船この船の中にいて、私はとても落ち着ける。
どんなに流れが速くても、どんなに波が高くても、ぜったいひっくり返らない。
いつもありがとね。この船は、私の家だよ。
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あの日、落ちてきたニワトリは、壊れた豆の木の上に乗っかった。傍には真芽が寝ていた。
壊れた豆の木には、メゾーという刻印がついていた。
今や真芽の友達でもあるニワトリ。豆の木の上にあった城からジャックが盗もうとしたものだ。船の上でも、毎日1個 虹色の卵を産んだ。
この卵は不思議な卵。
中からは、日々、 真芽に必要なものが出てきた。
ある日は食べ物が、ある日は雨風しのぐ壁や屋根、またある日は成長に合わせた衣服。。。
そして、美しい声・楽しいメロディー・豊かな発想・思わず誰もが振り返る笑顔!
真芽は、シンガーソングライターとして活躍するようになった。
その名は、メゾー・真芽。
例えば、缶詰め会社のコマーシャルソング。
♪ まめまめ印の、メジー缶 ♪
は、世界中の子ども達が口ずさんでいる。
それから、各方面のプロデュースも手掛けるようになった。
例えば、MAMETAという豆をブランド化して売り出すアイデア。
力を貸したのは、ネットに詳しいシメ。彼が、豆の品種改良・研究にもひと役かっているのは有名だ。
実はシメが、メゾー・真芽の情報を得、力を貸そうと申し出た。今や、真芽の仕事仲間である。
真芽は、思う。
私はとっても幸せだ。
時々 眠る前に聞こえてくる楽しい話声があるの。賑やかで楽しくて、嬉しくなるの。
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「あんちゃ~~~ん、またメゾーがマメを泣かせてますぅーーーっ!
おう。もうほっとけ。
いっいいんですかぁ。
ぅぇ~~~っえっえっ。
ちっちゃい妹を泣かすな!
おれよりちょっと早く生まれたからって、えらそうにすんな。
そうですよ、たたいちゃいけません、たたいちゃ。
迷惑かけないよう、真面目に生きてますがなにか。
まめまめ~~~~。(^○^)
まめまめ~~~~、ってなんだよ、まめまめ~~~~って。
おーーい、いい加減にしないか! アンチャンは、おまえたちに水と栄養を配らなくちゃならないんだ。豆次までいっしょになってなにやってんだ!
やってんだ。(^○^)
ちぇ。おれっていつも損な役まわり。
損と言えばおれだろう。いっつも怒られてばっかで!
僕でしょ。あれ?陽がかげってきましたね、水と栄養だけじゃ、僕たち大きくなれません。
んだとぉ~(-_-メ)、あのな、おなじさやの中で暮らしてて、みんな自分のことばっか言ってんじゃねぇーーっ!!」
(_ _).。o○ 💤💕
ーーー the end ーーー
*この話は、造り話です。参考にした話や人物及びその国・時代とは関係ありません。