ここは茨城県某所。
ホテル暮しも以下略。
仕事で県内某所を訪れたときのこと。
待ち合わせ時間より大分早く着いてしまったため、付近の河川敷を散策することにした。
やわらかな陽射しと心地よい風の中、河川敷を見下ろす土手の遊歩道を歩いていると、雉の鳴き声が聞こえた。しかも複数。
辺りを探すが、姿は見えない。
更に歩を進めると、川のほとりの芝に黒い点が動いている。距離は200~300メートルといったところか。目を懲らすと、それは雄の雉だった。
エサをついばむために首を上下に動かしていなければ見落としてしまっただろう。
しばらく観察していると、雉のそばの枯れ草の塊が動いた。
それは枯れ草ではなく、雌の雉だった。
雄と違って茶色を主体とした地味な色のため、全く目立たない。
二羽の雉はお互いに寄り添うようにしながらエサをついばんでいた。
複数の鳴き声がしたのはこのせいか。
浅学の身ゆえ、この雉がつがいなのか、はたまた繁殖期だから一緒にいるだけなのかはわからぬが、仲の良さそうなそのしぐさは見ていてほほえましいものであった。
やがて待ち合わせ時刻が近付いて来たためにその場を後にしたが、何となく得した気分になった変態オヤジであった。