猫と中間管理職

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ここは石川県某所。

ホテル暮らしも以下略。

 

今朝、客先の事務所に出社すると、先客がいた。

その人物は私を見るなり大声を上げた。

 

「おはようござ……おぉッ!!たいちょおさぁん!お久し振りですぅ!」

 

「お久し振りです!!金沢でお会いするとは、まさに奇遇!!」

 

この人物を私は知っている。数年前、名古屋に出張したときにお世話になった方だ。一緒に呑みに行ったこともある。

知っている。知っているよ。よく知っている。ただ、名前が出てこないだけだ。

名前が出てこないで難儀しているのを見て取ったか、彼は自ら名乗った。

 

「M社のMですw」

 

そうだよ、M社のM氏だよ。一度思い出してしまえばもうどうということはない。改めて、数年振りの再会を喜んだ。

我が社は数年前、M氏の地元である名古屋に応援として人員を派遣したのだが、氏はそのときのことを未だに感謝してくれていた。

 

「あの時は本当に助かりました。改めて、お世話になりました」

 

「いえいえ、弊社としては当然のことをしただけですので…また何かありましたら駆け付けますし、関東で何かあったらお願いします」

 

「その時は万難を排して駆け付けますよw」

 

出張に行くたび、色々な人と再会する。

これも出張あるあるなんだなぁ、としみじみ思う変態オヤジであった。

 

久方振りの更新である。

 

ここは石川県某所。ホテル暮らし四日目である。

 

客先で仕事をしていると、見覚えのある人物がいた。

ネームプレートの名前と顔は一致するのだが、どこでお会いしたかが思い出せない。

なんとなくモヤモヤするので、思い切って声を掛けてみた。

 

「あの、お久し振り、ですよね?」

 

「あれ、そうでしたか!?すみません、どこでお会いしましたっけ?」

 

いつもと逆で、向こうが覚えてなかった。新しいパターンだ。

 

「じつはそれをお伺いしようと思っていたのですが…。お顔とお名前は確かに覚えているのですが、どこでお世話になったのかがどうにも思い出せなくて…」

 

「接点があるとしたら、○○○○(部課名)ですよね…。私は10年程前まで千葉の○○課にいましたが…」

 

「それです!思い出しました!部門の統廃合が実施される少し前でしたよね!?」

 

「あぁ、そういえば…。いらっしゃいましたねぇ。思い出しました。いやぁ、お久し振りです。その節はお世話になりました」

 

「こちらこそ、お世話になりました。今回もよろしくお願いします」

 

謎が解けてスッキリして席に戻ると、先ほどまで空席だったところに誰か座っている。遅れて到着してきた応援者のようだ。

その人物は、私を一目見るなりマスクを外して会釈した。

 

「御無沙汰してます。またお世話になります」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします。金沢でご一緒できるとは、奇遇ですねぇ」

 

「お会いして早々ですが、この後すぐに北の方へ行くことが決まってるんです。少し不安ですが、まぁ頑張ってきます」

 

「そうですか…くれぐれもお気を付けて。寒さ対策も必要でしょうから、体調には充分ご注意ください」

 

「ありがとうございます。では、行ってまいります」

 

その人物を見送り、事務所を退出してホテルへ向かう道すがら、部下Tが話しかけてきた。

彼女は我社の最若手であり、今回の出張の同道者である。

 

「先ほどの方はどちらでご一緒だったのですか?」

 

「え?よくわからん。向こうはこちらを知っているみたいだから、どこかで会ったことがあるんだろうね」

 

「…とても親しげにお話していたようですが」

 

「向こうがフレンドリーだったから話を合わせただけだよ。どこで会った誰なのか、実は全然わかっていない」

 

「傍で見ていると凄く自然で、全然そんな感じはしませんでしたが…」

 

「これがオトナの対応というヤツだよ。勉強になったろ?」

 

「…………」

 

部下Tの冷ややかな視線が痛い。

あぁ、またやっちまったな、と少しばかり後悔する変態オヤジであった。

 

 

 

 

久方振りの更新である。


先の震災から12年が経過した。

干支が一回りした計算になる。


福島で仕事をしていた時、訪問先で私に三つしか残っていない6Pチーズをくれたお嬢さん(4才)も16才になっているはずだ。

そう考えると、随分時間が経ったのだと実感する。


被災された方、不幸にも御身内を亡くされた方に改めて御見舞申し上げ、本当の意味での復興を心から御祈り申し上げます。


当時を振り返り、身体の衰えを嫌でも実感する変態オヤジであった。

ここは宮城県某所。

 

ホテル暮らしも以下略。

 

今日は夕刻より出張先でお邪魔している仕事スペースの引越し作業があるとやらで、終業早々退出した。

個人情報以外で持ち出し可能な資料を持ってホテルに戻り、仕事を続けていたのだが、同じく出張してきている部下Iから借りていた道具を返すべく電話を掛けた。

 

「もしもしぃ、あの道具、使い終わったから部屋まで持っていくね」

 

「あ、自分取りに行きますよ」

 

ドアを開けると、ちょうど部下Iも部屋から出てきたところだった。

互いの部屋の中間ほどで道具を渡し、部屋に戻ろうとしたとき、部下Iがあっと小さく叫んで言葉を続けた。

 

「鍵、持たないまま出てきてしまいました…フロントまで行ってきます」

 

「いやここ7階だし。おれの部屋から内線で連絡すればいい」

 

部下Iを一旦私の部屋に入れ、内線でフロントを呼び出して鍵を開けてもらうと、彼は自分の部屋に戻っていった。

 

ふと時計を見ると、既に22時を回っていた。

 

明日も早いから、そろそろ風呂入って寝るか。

 

お疲れさまの御褒美の冷えたビールを呑みながら明日の仕事のことを考え、少し気分が重くなる変態オヤジであった。

 

 

ここは宮城県某所。

ホテル暮らしは一週間を迎えた。

 

宮城県内で仕事をしているが、先日所用で福島県は相馬市へ行った。

今から約10年前、福島県内で仕事をしていた頃は相馬市周辺もよく車で走った。

当時は震災の傷痕が生々しく残り、その地に暮らす人々は復興に向けて全力で奮闘していた。

10年経って同じ場所を訪れた私は、良い意味で言葉を失った。

 

見事に復興を遂げていた。

 

この時は部下Aが一緒だったのだが、入社二年目の彼は当然の事ながら10年前の事など知らない。

 

あの頃見た同じ場所から見る違う景色。

灰色のイメージだった景色は色彩と生気を取り戻していた。

不覚にもうるっと来てしまった。トシを取ると涙腺も緩くなるものよのぅ…。

 

部下Aに涙を悟られまいと必要以上にはしゃぎ口調になっていた変態オヤジであった。