来年、還暦を迎えます。
ここ喜多方の、静かで雑音の少ない環境で暮らすようになってから──
日々さまざまな「自分」に出会っています。
実は私は、もともと“面倒くさがり”なところがあって、これまでは完成されたものばかりを選び、
「自分で何かを作る」
ことに興味があっても、実際に手を動かすことはほとんどありませんでした。
けれど、この古民家に移り住んでから状況が変わりました。
本当は大工さんにお願いするつもりだった内装も、ご縁あって「大工さんがしばらく来られない」という流れから、
しかたなく、自分で手をつけ始めたのが最初でした。
最初はなかなか気持ちも乗らず、
やる気のないまま取りかかった作業は、当然うまくいかず失敗ばかり。
……でも、なぜかそこから不思議なスイッチが入り、
気がつけば夢中になって作業している自分がいました。
これまでは、「好きなこと」や「得意なこと」に力を注いで、それを仕事にしたり趣味にしたりする人生を歩んできました。
でも今回の経験で気づいたのは──
最初は“嫌だな”と思うことの中にも、没頭できる何かがある。
それはきっと、これまでの“型”から思いきって抜け出したからこそ
出会えた自分なんだと思います。
本当の自分って、
“いつもの日常”の中ではなかなか見えにくいものなのかもしれませんね。
最初に出掛けたお部屋