立春大吉

恵方巻を食べ豆まきをした翌日、

元気な男の子が誕生した。

 

昼過ぎから陣痛が始まり、

時計を見ながら過ごした。

 

晩御飯を食べ終えたあと、

陣痛の感覚がどんどん短くなり産婦人科へ電話。

 

まだかも?と言われながらも、

痛いお腹を抱えながら

産婦人科まで二人で歩いて向かった。

 

距離は50mちょっとだったけれど、

その間にも陣痛は続いており、

休み休み頑張って歩いて辿りついた。

 

 

今日は徹夜かも、

なんて思いながら布団にはいって横になっていた。

 

携帯がいつ鳴るか鳴るかと

折り畳み式の携帯を開いたり閉じたり落着かない。

 

 

産婦人科について2,3時間経った頃電話がなった。

産まれました。男の子です!

 

大急ぎで産婦人科へ向かう。

 

嬉しくて嬉しくて

早く父母へも知らせたい。

義理の母へも知らせたい。

 

産婦人科までの距離は50mほど。

焦る気持ちを抑えながら、小走りで向かった。

 

ベットの上で横になり妻が子供を抱きかかえていた。

顔は少し疲れた様子だったが、笑顔で迎えてくれた。

 

産まれたばかり。

肌はまだ青黒いっぽい色をしたような状態だった。

 

赤ちゃんの香りがした。

携帯で写真を撮った。

 

すぐに部屋から出された。

処置がまだ完全には終わっていないようだった。

 

廊下の長椅子に腰をおろし処置が終るのを待った。

 

しばらくすると、

おべべをきた赤ちゃんを抱きかかえた看護婦さんが

ガラス窓超しに現れた。

 

今日は窓越しでのご対面でおしまい。

仕方がないとあきらめ、窓超しに赤ちゃんを眺め、

また写真を撮った。

 

 

産婦人科の帰り道、実家へ電話した。

母が電話に出た。

おめでとう。母も嬉しそうだった。

 

帰り道、といっても50メートル程度。

嬉しくて嬉しくて浮ついていたように思う。

 

家族三人での暮らしが始まる。

幸せな家族模様を描いた妄想が頭を支配していた。

 

 

義理の母へも電話した。

初孫ということもあり大喜びだった。

今すぐにでも向かいたい。そんな勢いだった。

 

妻の実家は茨城県。

産んだのは大阪。

 

すぐに来ようにも来れない。

けれど、

翌日か翌々日には飛んできた。

 

僕もまだ抱っこしたことはない。

 

わざわざ茨城から飛んでやってきた。

看護婦さんが部屋からでてきて

義理の母へ抱っこさせてくれた。

 

かわいくて仕方がないようだった。

いつまでもいつまでも抱っこしていたい。

そんな様子だった。

 

 

 

昨日の出来事のように思い出す2月4日の誕生日。

 

 

そんな彼も今日で19歳か。

大学に通い一人暮らしをしているようである。

 

 

 

月日が流れるのはアッという間だ。