前回分
「お願い元に戻して!」
布間場桂里奈(フマバ カリナ)はあれから会社から逃げるように飛び出して、再々来店していた。
あのモヤモヤ解消商会へ……
目の前には桂里奈の担当にすっかり馴染みになったあの韓流イケメンな店員がいる。
「どうしました? 布間場桂里奈様、あなたの中で2番目にお望みなことを実現して見ましたがお気に召しませんでしたか?」
店員はニコリと笑む。
桂里奈は少しひるむ。
いろんな意味で……
「2番目ってどういうこと⁉」
桂里奈は叫ぶ。
「1番目は自由にお休みをとれるが布間場様のモヤモヤ解消になることでしたよね? 間違えございませんか?」
「……そう……ね」
桂里奈の中ではそれしかなかった。
すると、
「普通の方は相手にされたことによりモヤモヤが発生するものなのですが、
布間場様はどちらかいうと相手側をモヤモヤさせてしまう立場だというのに、それに全く本人が気づいてないということですか」
店員は桂里奈に対して意外な言葉を投げ掛けてきた。
「はあっ⁉」
桂里奈は動揺する。
「そうでしょう? 都合良く会社を休みたいだなんてどう考えてもあなたより会社側がモヤッとすることじゃないですか?
そんな都合の良い人など一層辞めて欲しいと思う人しかいないでしょう。
有給がなくなり仕事をせざるを得なくなり、今度は自分が会社の人達にどう思われているかって、そんなにあなたはしっかり仕事に取り組んでいましたか?
そんなにあなたは仕事に対して責任持っていましたか?
誠意を持って仕事をしていましたか?
ミスした時は素直に謝りましたか?
やる気すらあったか判らない※ちゃらんぽらん(※言動がいい加減で適当な様)な人に対して、
誰が良い風に思っていたかなんて人がいたら逆に教えて欲しいものですね! これは全て身から出た錆ですよ!」
店員はこれでもかと反論出来ないぐらい畳み掛けてきた。
そこまで言われると、とうとう桂里奈は言い返す言葉すら浮かばず……
「私、どうしたら?」
「何度も言いましたが有償をあなた自身から頂きます。
なので、次のそのリセット分はその前の分の支払いが終わってからさせて頂きます」
「え、じゃあ……リセットは……」
「今の時点ではまだ不可能ですね~~」
店員はとうとう薄く笑んできて……
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